
バローロの銘醸地「カンヌビ」に12.5ヘクタールを所有するワイナリー。畑では化学肥料を使わず、雨水を利用するなどサステイナブルなワイン造りを貫き、120年あまりにわたり土地とヴィンテージの個性をワインに描いてきた名門だ。セラーでは150hLの大きな木製樽で発酵させるなど、100年以上同じスタイルでワインを造っている。

マーケティングやプロモーションを担当するフェデリカ・ボッファさんが来日し、ワインの魅力を語った
現在はフェデリカ・ボッファさんとエマヌエラさん姉妹が5代目主として、先代である父母とともにワイン造りを担っている。
ファミリーの財産であるカンヌビ畑は、ラモッラ側にある「ゴレット」、南側に位置する「バッティスタ」、東側の「ヌオーヴァ」の3区画に広がる。ゴレットは1982年植樹の最も樹齢が高い畑。柔らかい果実味が現れる。バッティスタは暑さが厳しい年でも健全なブドウが育つ。ヌオーヴァは98年植樹の最も新しい畑で、風通しが良く、雨が降ってもすぐに乾燥する。

左から、樹齢40年のブドウで造る『ドルチェット・ダルバ 2021年』(2800円)、『バローロ 2020年』(8200円)、『バローロ・カンヌビ 2019年』(9000円)、『バローロ・カンヌビ・リゼルヴァ 2006年』(参考商品)
※価格は参考小売価格
3区画をブレンドして造る『バローロ2020年』は、150 hLの大樽で発酵させ、50 hLの樽で約18~20ヵ月熟成させている。フレッシュさと落ち着いた果実味が同居し、しっかりとした酸が全体を支えている。
『バローロ・カンヌビ 2019年』は柔らかなテクスチャーと繊細な酸を備えたワイン。「ローズマリーなどのハーブのニュアンスがカンヌビらしい特徴です」とフェデリカさん。バローロに求めるのは「フレッシュさ、軽やかさ」と話す。
バッティスタとヌオーヴァから生まれる『バローロ・カンヌビ・リゼルヴァ2006年』はメントールを感じ、ほんのりと甘やかなアタック。落ち着いたトーンだが生き生きとしており、熟成の可能性を存分に感じることができる。
いずれのバローロも繊細でやさしく、風通しの良い畑が目に浮かぶようなさわやかさが感じられる。
いつの時代もテクノロジーに寄らず、誠実にワイン造りと向き合ってきた歴史の重みを味わいたい。
ワインの問い合わせ先:WINE TO STYLE㈱ TEL.03-5413-8831