一戸建て住宅のリフォームを検討する際に、どこから手をつければいいか、予算内でどこまでできるか不安に感じていませんか?

この記事では「予算300万円のリフォーム」に焦点を当て、キッチンや浴室などの設備から内外装のリフォームまで、費用相場と成功事例を紹介します。

リフォームへの不安を解消し、理想の住まいづくりへの第一歩を踏み出すためのガイドとして、ぜひご活用ください。

1.一戸建てのリフォームは300万円でどこまでできる?

予算300万円で一戸建て全体をカバーする大規模リフォームは難しいかもしれませんが、しっかりと計画を立ててポイントを押さえることで、建物を長持ちさせつつ日常の快適性を大幅に向上させるリフォームは十分に可能です。

予算300万円で可能なリフォーム箇所の組み合わせ

築年数や現在の家の状態によって大きく異なりますが、リフォームの内容を上手に組み合わせることで、300万円の予算で住まいの快適性を大きく向上させることができます。

例えば、次のような組み合わせが考えられます。

【水回り設備更新+内装リフォーム】

キッチン・浴室・トイレなどの水回り設備を最新のものに交換すると同時に、部屋の壁や床などの内装を綺麗にすることができます。見た目も機能性も向上し快適に過ごせるプランです。

【リビング内装リフォーム+窓の断熱改修】

リビングの内装リフォームと断熱性能を高めるための内窓の追加工事を組み合わせることで、快適性と省エネ性を両立できます。

キッチンの交換や、キッチン・ダイニングの内装まで同時にリフォームすることもできるでしょう。

【外壁塗装+玄関ドア交換】

外壁の塗り替えと同時に、玄関ドアを最新型の断熱性・防犯性が高いものに交換すれば、住まいの寿命を延ばしつつ外観を美しく保てます。

予算が余れば、トイレ交換や建付けの悪い扉のリフォームなど、家の中の気になる部分にも使えるでしょう。

このようにリフォームに優先順位を付けて、あなたのご自宅にとって最適な組み合わせを検討することで、300万円の予算内でも快適な家にリフォームすることができます。

300万円では難しいリフォーム

一戸建て住宅全体を対象とする「フルリフォーム」や、建物の内外装を撤去し骨組みの段階から造り直す「スケルトンリフォーム」は高額な費用が掛かってしまい、300万円では難しくなります。

また、増築や間取りを大きく変更するリフォームも高額になります。特に建物構造に関わる工事が発生すると、リフォーム金額が300万円を超えることが多くなります。

予算を抑えるためには、内装の張り替えや水回り設備の交換など、表面だけの改修に留めるのが無難です。

ただし、築40年を超えるような耐震性に不安がある住宅は、耐震診断を行った上で、耐震補強工事を優先させましょう。

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2.部位別リフォーム費用相場

300万円の予算内でどのようなリフォームの組み合わせが可能かを知るために、各部位ごとの費用相場を見ていきましょう。

キッチンリフォーム:費用相場50~200万円

リフォーム項目
費用
内容
キッチン本体交換 50~100万円 キッチンセット一式の交換
キッチン本体交換

+壁・床の張り替え
100~150万円 台所の壁・天井も同時に仕上げなおし
キッチン本体交換

+壁付けから対面形式に変更
150~200万円 キッチンの配置を変更し、対面式のオープンキッチンに
キッチンの各設備交換 10~50万円 コンロ、レンジフード、キッチン扉、シンク、

カウンター、ビルトイン食洗機などの交換

リフォーム費用は、キッチンのタイプ、グレード、オプション品によって変動します。

費用を抑えたい場合は、状態の良いキッチンパネルや吊戸棚を再利用するなど、工夫することも可能です。

老朽化した設備の交換だけでも機能性は向上しますが、収納力や家事動線を考慮した再配置や家族間のコミュニケーションを高めるオープンキッチン形式への変更もおすすめ。より快適で効率的なキッチン空間を実現できます。

浴室リフォーム:費用相場10~250万円

リフォーム項目
費用
内容
ユニットバス交換 50~100万円 同サイズのユニットバスに更新
在来浴室をユニットバスに変更 100~250万円 在来浴室(昔ながらのタイル張り浴室)を撤去し、

収まるサイズのユニットバスに変更
壁や床の修繕 10~30万円 壁タイルやパネルの修繕、上張り

床タイルの修繕、張り替え
浴槽交換 10~50万円 在来浴室やユニットバスの浴槽を

同サイズの新品に交換

ユニットバス自体の交換は比較的費用を抑えやすく、シンプルなタイプを選ぶとさらに経済的です。ただし、既存のサイズよりも大きなユニットバスに変更する場合は、大規模な工事が必要となり、費用が大幅に増加する可能性があります。

タイル張りの在来浴室(造作浴室)をリフォームする場合、浴槽のみの交換であれば比較的費用を抑えられますが、素材やパーツ選びによって費用は大きく変動します。

在来浴室からユニットバスに交換すると断熱性能やお掃除のしやすさが向上し、快適な浴室になるためおすすめです。

トイレリフォーム:費用相場5~60万円

リフォーム項目
費用
便座のみ交換 5~10万円
洋式トイレ交換

(一般グレード)
10~20万円
洋式トイレ交換

(タンクレストイレや高機能タイプ)
20~30万円
和式トイレから洋式トイレに改装 30~60万円

トイレのリフォーム費用は機能によって大きく異なり、最新のタンクレストイレや自動洗浄機能付きの便座など、高機能なタイプはやや高額になる傾向があります。

便器や便座の交換と同時に、内装や収納スペースの変更を行うことで、トイレ空間全体をより快適にすることができます。 また、一般的な便器からタンクレストイレに変更すると、タンクがなくなる分、奥行きが小さくなり、トイレの空間を広く感じさせることが可能です。

洗面所リフォーム:費用相場10~50万円

リフォーム項目
費用
洗面台交換のみ 10~20万円
洗面台交換+設置位置の移動

(給排水工事含む)
15~30万円
洗面台交換+内装リフォーム 15~50万円

洗面台は交換のみであれば20万円以内に収まることが多いです。位置を移動させると給排水工事や、場合によっては電気工事の費用がかかります。

古くなった洗面化粧台を収納力のあるものや清掃性の高いものに変更すると、日常の利便性が大きく高まります。また、浴室と同時にリフォームすると、効率的に作業ができるため工期が短くなり、工事費用が割安になることも。浴室リフォームもお考えの方は、一緒に検討しましょう。

内装リフォーム:費用相場5~40万円

リフォーム項目
費用
壁紙の貼り替え

(6~12畳)
5~12万円
フローリング上張り 15~35万円
フローリング張り替え 20~40万円
室内ドア交換 6~22万円

壁紙の貼り替えは比較的安価に施工できますが、選定する壁紙のグレードや機能性によって費用が変動します。

フローリングの張り替えも、素材の種類によって費用やメンテナンス性が異なります。既存の床に重ねて張る方法なら費用を抑えることも可能です。

内装リフォームは、範囲を限定することで予算調整が可能です。例えば、壁紙の一部分だけを貼り替えたり、リビングのみフローリングにするだけでも、空間の印象は大きく変わります。

屋根・外装リフォーム:費用相場80~250万円

リフォーム項目
費用
外壁のみ塗装 80~140万円
外壁・屋根の塗装 100~170万円
外壁上張り

(窯業系サイディング)
150~200万円
外壁張り替え

(窯業系サイディング)
200~250万円
屋根上張り

(ガルバリウム鋼板)
100~150万円
屋根葺き替え

(スレート)
150~200万円

※30~40坪の家の場合

屋根・外壁のリフォーム費用は、塗装と張り替え(葺き替え)で大きく異なります。

下地を含めた劣化具合によって、塗装で済むか張り替え(葺き替え)になるかの判断が分かれますので、専門業者による詳しい診断が必要になります。

外壁や屋根は普段目につかないため後回しにしてしまいがちですが、外壁屋根の劣化は建物の寿命を縮める要因となります。前回のメンテナンス(または新築時)から10年以上が経過していたら、リフォームプランに入れることを検討しましょう。

窓・玄関ドアのリフォーム:費用相場1~100万円

リフォーム項目
費用
内窓追加 4~12万円
断熱ガラス交換 1~5万円
窓カバー工法 5~20万円
玄関ドア交換 20~60万円
玄関ドア交換(サイズ変更) 40~100万円

窓のリフォームは、窓のサイズや性能によって費用が大きく変わります。玄関ドアも性能の違いのほか、工事方法や、サイズ変更があるかどうかでも費用に差が出ます。

窓・玄関ドアともに、「カバー工法」という方法が人気です。断熱性の高いサッシやドア枠を、既存の枠の上にかぶせ(カバー)、新しい窓やドアを取り付ける方法です。既存の窓枠やドア枠を壊さないためリフォーム費用も抑えられ、工事も半日から1日で済みます。

窓や玄関は外の気温が室内に一番伝わりやすい箇所です。内窓を設置して窓を二重にしたり、断熱性の高い窓や玄関ドアに交換することで室内の快適性が向上するだけでなく、冷暖房の効率も上がって省エネになります。

【実例データから見る一戸建てリフォームの費用相場】

各リフォームのより具体的な費用相場については、こちらのリンクから「リフォームガイド」の実例データをご確認ください。