交通事故を起こして搬送された先の病院で医療関係者をけがさせたとして、2025年4月8日に逮捕された俳優の広末涼子容疑者。各メディアでは逮捕当日から、捜査の状況や取り調べ中の広末容疑者の様子などが次々と報じられている。
こうした加熱する報道に、SNSでは疑問の声が寄せられているほか、「乃木坂46」の元メンバーでタレントの山崎怜奈さんも「節操がなくて見ていて苦しい」などとコメントした。
薬物検査報道でさまざまな憶測も
広末容疑者は8日に逮捕され、同日に所属する個人事務所が「一時的にパニック状態に陥った結果」、医療関係者を負傷させたと発表。当面の間、芸能活動を自粛すると報告した。
各メディアは8日朝、本人だと断定される前から、静岡県警の発表に準拠する形で「自称・広末涼子容疑者」と速報。広末容疑者の過去の映像を流すニュース番組もみられた。
その後、広末容疑者が事故を起こす前に立ち寄ったサービスエリアで他人に話しかける、取り調べ中に大声を上げるなど落ち着かない様子が続いていたこと、薬物検査を行う予定であることも報じられ、SNSでさまざまな憶測が投稿された。10日には、検査の結果、違法薬物は検出されなかったことが報じられた。
また10日には、広末容疑者の勾留が決定したことや警察が広末容疑者の自宅を家宅捜索したことも報じられたが、警察が広末容疑者の自宅に入る様子を放送したニュース番組もあった。
こうした加熱する報道やメディアに情報を提供する警察に、Xでは「なんで連続殺人犯みたいな扱いなん?」「逮捕されている身の広末涼子の情報漏れすぎでしょ」「好奇な視線で広末涼子を面白がって消費する流れが醜悪すぎて見ていられない」といった疑問や批判の声が上がった。
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「日々、報じ方を問われなければいけない」
山崎さんも、4月10日放送の「堀潤 Live Junction」(TOKYO MX)で同様の見解を述べている。
山崎さんは広末容疑者の報道のされ方について、「本来出しちゃいけない個人情報」まで報じられているのではないかと指摘。広末容疑者の事件前後の様子や警察が家宅捜索に入る映像が報じられたことに触れ、「あまりにも警察の情報の漏らし方も、メディアの報じ方も、ちょっと節操がなくて、見ていると苦しいものがあるなと」とコメントした。
元裁判官の八代英輝弁護士も山崎さんの意見に同意し、「芸能人なら報道してもいい、芸能人だったらすべて報道対象だっていう形式的な判断っていうのはちょっとおかしいんじゃないかと思います」と見解を示した。一方で、社会の関心事を報じることもマスメディアの役割だと理解を示しつつ、「日々、報じ方を問われなければいけない」と指摘した。
豊崎由里絵アナウンサーは、これまで広末容疑者が「奇行」「お騒がせ」と週刊誌などで報じられてきたとし、「その後のケアに繋がるところまでいくなら(報じる)意味があると思います」とコメントした。しかし、ケアにつながらなかったのであれば、それは「私たちが消費してきたから」だとし、「そこを根本から変えていかないと、この問題は解決しないんじゃないかなと思います」と見解を示した。