
2025年4月1日より、車検の受検可能期間が現在の「満了日の1カ月前から」から「2カ月前から」に拡大されました。車の維持管理に影響が出る身近な改正です。今回は新ルールの詳細やメリットとデメリット、手続き上の注意点について見ていきましょう。
従来ルール:車検の有効期限と「1カ月前」の仕組み
まずこれまでの車検制度を確認します。車検は道路運送車両法に基づき、車両が保安基準を満たしているかを定期的に確認する検査です。
普通乗用車の場合、新車登録から3年後に初回車検があります。その後は2年ごとに継続検査が必要です。車検証に記載された「有効期間満了日」までに新たな車検を受けなければ、公道での走行が認められません。
従来のルールでは、車検は「有効期間満了日の1カ月前から満了日までの間」に受けるのが一般的です。この期間内に車検を済ませた場合、旧車検証の有効期限が維持され、次の有効期限は「満了日から2年後」に設定されます。例えば満了日が2025年5月31日の車両が4月30日から5月31日までに車検を受けた場合、次の有効期限は2027年5月31日となります。
一方、1カ月前より早いタイミングで車検を受けると、新たな有効期限が「受検日から2年後」に設定されます。そのため、旧車検証の満了日までの残存期間が失われます。例えば、満了日が2025年5月31日の車両が3月に車検を受けた場合、次の有効期限は2027年3月となり、約2カ月の期間が短縮されてしまいます。
この仕組みから、多くのドライバーは有効期間を最大限に活用するため、「1カ月前から満了日までの期間」を目安に予約を調整しています。
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【2025年4月改正】2カ月前からの受検が可能に!対象車両は?
車検
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国土交通省は2024年6月、車検の受検可能期間を2025年4月1日から「有効期間満了日の2カ月前」に拡大する改正を発表しました。同時に、自賠責保険の更新も2カ月前から可能となり、車検手続きと適切に連動する形になります。
この新ルールの対象範囲は、小型乗用車、普通乗用車、軽自動車、商用車、オートバイなど、ほぼ全ての車両で、全国一律で実施されます(離島では既に同様のルールが適用されています)。
具体例を挙げると、満了日が2025年6月30日の車両の場合、2025年4月30日に車検を受けても、次の有効期限は2027年6月30日のまま維持されます。今回の改正で2カ月前から受検しても有効期間が短縮されず、現行ルールでの「早期受検による損失」が解消されます。この改正により、車検のタイミングが柔軟に選択できるようになり、車の所有者の利便性が向上することが期待できます。