築40年の家ともなれば、老朽化、耐震・断熱性の低さ、バリアフリーへの非対応など、たくさんの問題が生じているかもしれません。本来は大規模なリフォームですべてを一新するのが望ましいけれど、予算には限りがある…そんな場合は、優先順位を決めてリフォームしましょう。
ポイントを抑えれば、予算300万円で効果的なリフォームをすることができます。ただし、劣化が激しい場合など、300万円では収まらないケースもゼロではありません。
そこで、この記事では予算300万円で出来る築40年の家のリフォームについて解説。これを読めば、どのリフォームを優先すべきか、どこまでリフォームできるかがわかります。
1.築40年の家は予算300万円でどこまでリフォームできる?
築年数の古い住宅には、老朽化や耐震・断熱性の不安、バリアフリーへの未対応など、たくさんの課題があります。しかし、300万円の予算では、フルリフォームは困難。
限られた予算の中で効果を引き出すためのリフォームについて、見ていきましょう。
戸建てにおいては建物の状態が良ければ、優先順位を絞ることで予算内のリフォームは可能です。
また、マンションは専有部分(室内)のみが対象となるため、戸建て以上に300万円でのリフォームがしやすいと言えるでしょう。
1-1.予算300万円でできるリフォームの例
ここでは、予算300万円で実現可能なリフォームをパターン別に紹介します。
パターン1:水回り中心のリフォーム
水回りは、劣化が目立ちやすく生活への影響も大きいため、優先的に検討したいポイントです。キッチン・浴室・トイレ・洗面台の交換に加え、床や壁の内装も新しくします。
水回りの設備の耐用年数は、10〜20年が目安です。次のような症状が見られる場合は、リフォームのタイミングです。
キッチン:サビ、素材の剥がれ、コンロや、換気扇の不具合
浴室:コーキングのひび割れ、漏水、浴槽の劣化
トイレ:タンクやウォシュレットの故障
洗面台:洗面ボウルのひび割れ、異臭や排水詰まり
水回りのリフォームは、1カ所だけでなく、「洗面台」と「浴室」などのように2カ所以上をセットで行うことがおすすめ。共通する工事をまとめられるため、費用を抑える効果があります。
| 浴槽の交換 | 50〜200万円 |
| トイレの交換 | 15~75万円 |
| キッチンの交換 | 50~300万円 |
| 洗面所の交換 | 15~50万円 |
※それぞれ設置位置を移動する場合は、追加で費用が発生する可能性あり。
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パターン2:外装中心のリフォーム
外壁塗装の耐用年数は、使用する塗料にもよりますが、およそ10年〜20年。前回の塗り替えから10年以上が経過していれば、リフォームを検討する時期といえます。特に、以下のような症状が見られる場合は、塗替えを検討しましょう。
外壁の塗装が粉状になる
塗装の膜が剥がれてきている
外壁そのものや塗装がひび割れている
外壁と屋根の塗装は同時に行うことで足場設置などのコストをまとめられ、費用を抑えることができます。
また、玄関ドアの交換もおすすめです。
玄関ドアが古くなると、劣化によって見た目が悪くなってしまうだけでなく、使い勝手にも支障が出てしまうこともあります。費用に余裕がある場合には、検討してみるのも良いでしょう。
| 外壁塗装 | 60〜160万円 |
| 屋根塗装 | 20〜80万円 |
| 玄関ドアの交換 | 20~100万円 |
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パターン3:バリアフリー化のリフォーム
築40年の家は、バリアフリーに対応していないことが多く、小さな段差や滑りやすい床が転倒の原因になりかねません。将来を見据えて改修しておくと良いでしょう。
また、手すりをつける、車椅子も通れるように廊下の幅を広げる、開き戸を引き戸に変えるなどのリフォームも、高齢になっても安心して暮らすためにしておくと良いリフォームです。
| 手すりの設置 | 6万円~ |
| 段差の解消 | 2〜15万円 |
| 床材の変更 | 5~10万円 |
| 廊下の幅を広げる | 30~150万円 |
| 引き戸への変更 | 20~60万円 |
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パターン4:耐震性を高めるリフォーム
築40年の家は建築基準法の旧耐震基準で建てられており、震度5強以上の地震が来ると倒壊する恐れもあります。
今後も長く住み続けたい場合は、安全性確保のためにも優先的に耐震補強工事をすると良いでしょう。
300万円の予算内で耐震補強をする際には、詳しい業者に相談すると安心です。
| 壁に筋交いを設置 | 5〜20万円/1箇所 |
| 外壁に耐震パネルを設置 | 25~65万円 |
| 屋根の軽量化 | 80~200万円 |
| 基礎の増し打ち | 40~60万円 |
| 基礎の補強・補修 | 20〜100万円 |
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パターン5:断熱性を高めるリフォーム
築40年の家は断熱材が不十分で、窓も単板ガラスやアルミサッシが使われていることが多く、断熱性が低いことがほとんどです。
断熱材の追加や窓の断熱性向上リフォームで、暑さや寒さを和らげ、快適な住環境に近づけることができます。
| 壁・床・天井に断熱材を入れる | 15~250万円 |
| 複層ガラスへの交換 | 5~15万円/1窓 |
| 二重窓の設置 | 4~12万円/1窓 |
| 外壁・屋根の断熱塗装 | 80〜140万円 |
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1-2.予算300万円では難しいリフォームの例
300万円の予算では、家全体のリフォームは難しいでしょう。
内装の全面的なリフォームや、戸建て住宅の外装のリフォームもしようと思うと、すぐに予算をオーバーしてしまいます。
築40年の住宅は内装・外装ともに傷んでいることが多く、大規模なリフォームが推奨されますが、300万円ではすべてに対応しきれないのが実情です。
そのため、よく過ごすリビングや水回りのみをリフォームする、外壁屋根に劣化が見られる場合は優先的にリフォームするなど範囲を限定する事が大切になります。
予算内でどこの箇所を優先的にリフォームすると良いのか、信頼できるリフォーム会社と相談しながら計画を進めると良いでしょう。
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2.築40年の家を予算300万円でリフォームするときのポイント
限られた300万円の予算を使い、築40年の家で最大限有効なリフォームを行うためのポイントを3つご紹介します。
2-1.補助金・減税制度を活用する
まず検討したいのが、国や自治体が実施しているリフォームに関する補助金や減税制度の活用です。たとえば、「住宅省エネ2025キャンペーン」や「介護保険」を活用する方法があります。また、耐震改修工事を行うことで、固定資産税の減額措置が受けられる場合もあります。
申請には事前の手続きや工事内容の条件を満たす必要があるため、早めにリフォーム会社や自治体の窓口に相談し、情報を収集することが大切です。
2-2.予算オーバーしそうならローンも検討する
希望するリフォームが300万円という予算で賄えないと判断した場合は、リフォームローンの利用を検討するのもひとつの選択肢です。
ローンを組むことが可能なうちに利用すれば、今後も長く住み続けるための耐震性の強化なども可能になるかもしれません。
ただし、毎月の返済額が大きくなりすぎないよう、必要最低限の範囲で計画をたてることが重要です。
2-3.相見積もりをとって慎重に業者を選ぶ
予算内で理想のリフォームを実現するため、相見積もりをとることはとても重要です。
同じ内容の工事でも、業者によって見積もり額や提案内容に大きな差が出ることがあります。見積もりを比較する際は、内訳が明確かどうかや、工事範囲が具体的に記載されているかなどをチェックしましょう。
とくに築年数が古い家のリフォームは、構造の劣化や配管の老朽化など、現場を見なければわからないリスクが多いため、経験豊富な業者に依頼することが望ましいです。
相見積もりをとる過程で、その業者が丁寧に対応してくれるかなども確認ポイント。説明が不十分な業者は避け、信頼できる業者を選びましょう。
