都市部でも小回りがきく!コンパクトSUV「スズキフロンクス」の魅力
まずコンパクトSUVの1台目として、小さい順でスズキのフロンクスを推したいと思います。
同じコンパクトSUVではトヨタのライズやダイハツのロッキーなどがありますが、その中でフロンクスを選んだのは、内外装の質感が高く、装備が充実しているからです。
フロンクスの全長はライズと同じ3995㎜で、カテゴリー的にはAセグメントという一番小さいサイズに分類されそうですが、一方で全幅は1765㎜とBセグメントのヤリスクロスにも迫るワイドさになっています。さらに全高は1550㎜と、高さ制限1550㎜の立体駐車場にも収まるサイズと、日本の都市部の住環境にも絶妙なサイズ感となっています。
コンパクトSUVで高さ1550㎜に収まっているのは、Bセグメント以下ではマツダCX-3やレクサスLBXくらいですが、CX-3はさすがに10年選手で目新しさもなく、リセール面でも推しづらいので落選。質感はCX-3も良いんですけどね……。フルモデルチェンジが待たれます。レクサスLBXについては後述します。
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同クラスの車種と比べるとやや割高だが…値段以上の「充実した装備」
フロンクスのパワートレインは1.5ℓの直列4気筒NAエンジン※1にマイルドハイブリッド※2が組み合わされたもの1種類となっていますが、ライバルのライズ、ロッキーでは1.0ℓ3気筒ガソリンターボと1.2ℓハイブリッド、ヤリスクロスは1.5ℓ3気筒NAエンジンと1.5ℓハイブリッド、ガソリンエンジン同士で比べるとフロンクスのほうが上質感があります。
※1 直列4気筒エンジン:シリンダーが1列に4本配置されているエンジンのこと。このシリンダー内で、混合気への着火と激しいピストン運動が行われている。3気筒よりも振動面で有利。
※2 マイルドハイブリッド:ハイブリッドの中でも電動機(モーター)の出力が控えめなものを指す。アイドリングストップからのエンジン始動が電動化されるのでセルが回る音と振動がなく、上質でラグも少ない。
走りにおいてもスイフト譲りのしっかりとしたものとなっていて、絶対的な速さはありませんが、エンジンを使い切れる楽しさがありました。
エクステリアでは、前述のコンパクトさながらワイド&ローなデザインは、レンジローバーイヴォークを小さくしたような迫力もあります。また、ライト類は前後ともフルLEDと、スズキにしてはかなり気合いの入った装備になっています。
インテリアでは、デザインこそ最近のトレンドとは異なりやや古臭さを感じるものの、ボルドーというワインレッドを配したコーディネートや、合成皮革(ごうせいひかく)やシルバー塗装を使用した素材感もクラストップレベル。
車両本体価格はFF※3で254.1万円からと、このクラスにしてはやや割高に思うかもしれませんが、シートヒーターや置くだけ充電、ヘッドアップディスプレイ、全方位モニター付き9インチメモリーナビまで標準装備となっているワングレード展開なのを考えれば妥当と思えます。欠点はステアリングヒーターがないくらい。
※3 FF:「フロントエンジン・フロントドライブ」の略称で、前方にエンジンを搭載して前の車輪を駆動する車両レイアウト。
後部座席の足元空間やラゲッジスペースなど、全長4m以下とは思えないほど広いので、私がAセグメントのコンパクトSUVを買うなら、このフロンクスになると思います。
