
ナ・リーグ地区シリーズ「フィリーズ対ドジャース」の第4戦は、延長の末、ドジャースがフィリーズに勝利。ドジャースはシリーズ成績を3勝1敗とし、リーグ優勝決定シリーズへ駒を進めた。
◆“守護神”佐々木朗希が大活躍

プレーオフで活躍を続ける佐々木朗希投手 写真/産経新聞社 タイラー・グラスノーとクリストフェル・サンチェスの投げ合いで始まったこの試合。グラスノーが6回無失点、サンチェスが7回途中1失点の力投を見せ、試合は終盤までもつれ込んだ。
7回表に1点を先制したフィリーズは、7回裏の途中から守護神ジョアン・デュランを早くも投入。デュランは、ムーキー・ベッツに押し出し四球を与え、同点に追いつかれたものの、イニングをまたぎ、8回まで5つのアウトを奪った。
一方、ドジャースもこれに応酬するように“守護神”佐々木朗希を8回表に投入。セーブが付く場面ではなかったが、10回までの3イニング、打者9人を完璧に抑え込んだ。
そして迎えた11回裏、ドジャースは2安打と1四球で2死満塁の好機をつくると、最後はアンディ・パヘスの放った投手ゴロがオライオン・カーカリングの失策を招きサヨナラ勝ち。本拠地ドジャースタジアムで地区シリーズ突破を決めた。
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◆試練を味わった佐々木朗希のメジャー1年目
この試合で文句なしの立役者となったのが佐々木だ。3イニングをわずか36球の省エネ投法で、対峙した9人の打者を翻弄。奪三振は2つのみだったが、36球中26球がストライクという安定した制球力を見せつけた。
これで佐々木はレギュラーシーズンからリリーフ登板時は7回1/3をいまだ無失点。被安打2、四死球0とほぼ完璧な投球を続けている。
思い起こせば今季は佐々木にとって、これまでにない試練を味わった年だった。開幕前にメジャーリーグの公式有望株ランキングで堂々の1位に選ばれ、新人王候補に名前が挙がるなど、今季最も注目された若手選手の一人だった。
ところが、開幕から制球は定まらず、怪力がそろうメジャーリーガーに簡単に柵越えを許すなど大苦戦。自慢のフォーシームの球速も大きく落ち込み、シーズン8試合目の試合を投げ終えた5月上旬に右肩インピンジメント症候群を発症し、戦列を離れた。
さらに長いリハビリの末、8月にマイナーで復帰登板を果たしたが、課題の制球力とフォーシームの威力は回復せず。このままでは、残りの“シーズン全休”もやむを得ないという声も日本や現地で上がったほどだ。

