梅雨時や被災時は食中毒に注意!ペットボトルも?専門家に聞きました

ジメジメとした天気が続く梅雨は、食中毒に気をつけたい季節です。日常生活でもそうなのですから、災害で被災した場合には、よりいっそう食中毒への注意が必要になると考えましょう。衛生環境が悪くなりやすいうえに、疲労などによって抵抗力が低下しがちになるためです。

では、どういうところに注意したらいいのでしょうか?料理する場合ではなく口にする際にも気をつけることがあるのでしょうか?食中毒について管理栄養士の尾上雅子さんに聞きました。

食中毒が発生する原因とは?

「そもそも食中毒は、主に食品に付着している有害な細菌やウイルスなどが原因で発生します。中でも細菌による食中毒は、気温が高く細菌が増殖しやすい夏場(6~8月)に多く発生しています」と尾上さんは言います。

湿度が高いと細菌が増殖しやすい環境になるため、梅雨時には特に食中毒に注意が必要です。

食中毒を起こす主な細菌・ウイルスは?

食中毒を引き起こす細菌の代表的なものには、「サルモネラ菌」と「黄色ブドウ球菌」があります。尾上さんに詳しく説明していただきました。

「サルモネラ菌は、牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌です。十分に加熱していない卵・肉・魚などが原因食品となります。注意したい食べ物として、生卵、オムレツ、牛肉のたたき、レバ刺しなどがあげられます」

「黄色ブドウ球菌は、ヒトの傷口をはじめ、鼻や口の中、皮膚などにいる菌です。手に傷があったり、ニキビなどを触った後に食べ物を触ったりするなど、調理する人の手を介して食品に菌がつくことが多いです。特に、加熱後に素手で扱う食品が原因となります。例としておにぎり、お弁当、巻きずし、調理パンなどがあります」

ウイルスが原因となる食中毒の場合、ほとんどがノロウイルスによるものといいます。冬に多く発生し、ノロウイルスに感染した人が調理した食品を食べたりすることで起こります。感染した人の手や唾、ふん便、嘔吐(おうと)したものなどを介して二次感染しやすいので、注意が必要です。また、ノロウイルスに汚染された牡蠣(かき)などを十分に加熱しないまま食べることで起こるケースもあります。

「つけない」「増やさない」「やっつける」で食中毒を防ごう

では、食中毒を予防するためには、どうすればいいのでしょうか。
尾上さんに「食中毒を防ぐための大切な3つの原則」を紹介いただきました。

(1)つけない
調理を始める前、生の肉や魚を触った後などには必ず手を洗いましょう。

(2)増やさない
細菌の多くは高温多湿な環境を好みます。生鮮食品は購入後すみやかに冷蔵庫に入れましょう。

(3)やっつける
ほとんどの細菌は加熱によって死滅します。中心までしっかりと加熱してから食べましょう。

調理中だけでなく、食品の購入から食べるまでのあらゆる過程で「つけない」「増やさない」「やっつける」の原則を実践することが大切ですね。

以上のようなことを踏まえて、被災時のことを想像すると、電気や水道、ガスなどが止まってしまいますよね。そうなると、加熱調理ができない、手洗いができないなど、食中毒がより起こりやすくなることがわかります。非常食は加熱調理をしなくても食べられるものを選ぶのが基本と言えそうです。

調理器具の殺菌&手の消毒は大丈夫?

食品以外に、調理器具や食べ物に触れる手などにも気をつけることも大事なポイントです。
「使用後の調理器具、特に生肉や生魚を切ったまな板や包丁は、洗剤で洗った後に熱湯をかけて殺菌を。包丁やまな板は、肉用・魚用・野菜用と使い分けるとより安全です」と尾上さんは言います。

被災時で衛生的な調理環境がないのであれば、肉や魚を調理するのはあきらめた方が無難でしょう。
備蓄として、携帯用のガスコンロやアルコール消毒剤、ビニール手袋などを備えておくと、調理する際の食中毒予防の面でも役に立つはずです。

ペットボトルは「直飲み」「飲み残し」に注意

尾上さんのお話で驚いたのが、水で食中毒が起こる可能性があるということです。

「特に注意が必要なのが、気温の高い時期のペットボトル飲料の飲み残しです。口をつけて飲んだ場合、口の中の雑菌などがペットボトルの中に入り込み、その結果、雑菌が繁殖すると考えられます」(尾上さん)

キャップでふたができるペットボトル飲料は一度に飲みきらなくても大丈夫と思いがちです。でも尾上さんは「食中毒を防ぐために、口をつけたらその日のうちに飲みきるようにしましょう。飲みきれない場合は直接口をつけずコップに注いで飲む、残ったら冷蔵庫に入れる等を心がけるとよいです」とアドバイスしてくれました。

被災時にはより貴重さが増す飲み水。ペットボトル飲料を大事にちょっとずつ飲みたいときには、直接口をつけずにコップを使うとよい、と覚えておきましょう。

被災時/避難時の食事で気をつけること、できること

被災時を想定した食中毒予防策について、あらためて挙げていただきました。

「非常食や、避難所で配布されたおにぎり、お弁当などを食べる場合、食事の前にはしっかりと手洗いを。水が十分に確保できないときは、ウェットティッシュなどを活用してください。そして、避難所などで出された食事はすぐに食べましょう。時間がたったものや、味や匂いに少しでも異常を感じたものは、思い切って捨てるという判断も大切です」

被災時には食べ物は貴重です。もったいないと思うかもしれませんが、健康のためにも冷静な判断力を持てるようにしたいですね。

被災時/避難時の調理で気をつけること、できること

続いて、被災時に調理や食事を配布する立場になった場合に気をつけることです。よりいっそう注意する必要がありますね。

「まず、手洗いをしっかりと。そして調理の際は、十分に加熱処理を行うこと、加熱後の食品を汚染しないことが重要です。特に加熱後の食品には素手で触れないよう、必ず使い捨ての手袋やビニール袋を使用しましょう。下痢や吐き気など、体調に不安があるときは無理をせず、調理に関わらないようにしたほうがよいですね」

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