年収300万円家庭の理想的な家計バランスとは?

第3回 年収300万円台家庭が将来困らないために
年収300万円台の世帯が子育てをしながら、将来困窮しないための貯蓄も同時に行うとなると、シビアな家計管理が必要。とはいえ、何にどれくらい出費することが望ましいのか、そもそも今の家計のバランスは大丈夫なものなのか…判断するのは難しいものです。そこで、理想的な支出バランスについて、節約アドバイザーの丸山晴美さんに教えてもらいました。

年収300万円家庭の理想的な家計バランスとは?

●手取り25万円世帯の理想的な家計バランスはコレだ!

・住宅費(住宅ローン含む)
30%まで(7万5000円)

・食費
20%(5万円)
※米を含む自炊費だけではなく、外食酒代も含めての金額

・衣料費
5%(1万2500円)
※家族分

・日用品
2%(5000円)

・保険料
4%(1万円)
※家族分

・自動車
都心の人はゼロに、地方の人は8%(2万円)
※車検費用積立等含む

・通信費
5%(1万2500円)
※家族分、携帯代金含む

・貯蓄額
住居費が30%であれば、貯蓄額は10%が目安(2万5000円)

・教育費
12%(3万円)
※子どもの年齢によって差分あり

・予備費
4%(1万円)

「一旦このバランスで家計をやり繰りすると決めたら、最低一年間はこの割合をキープしてみることが大切」と丸山さんは話します。

●固定費の見直しからスタート!

もし現状バランスが崩れてしまっている、または支出に偏りがある場合、どこから見直しをするべきでしょうか。

「まずは、住宅や自動車、通信費などに掛かる固定費を見直してみましょう。もし賃貸に住んでいる人であれば、引越しも検討してみた方がいいですし、自動車もローンや維持費が高すぎるようであれば買い替えるか、自転車生活にシフトしてもいいと思います。また、通信費も格安SIMを使える携帯に変えるだけで、月に数千円浮くことも考えられます。それぞれの項目ごとに適切な出費かどうか、一度しっかり見直すことがスタートです」(丸山さん、以下同)

また、余剰金ができたら無駄遣いをせずにしっかり貯蓄に回すのがベスト。

「これまで、人生にはお金の貯め時が3回あるといわれてきました。それは『独身時代』『子なし夫婦共働き時期』『子どもが社会人になった後退職するまで』になります。しかし、これからの時代はそんなことは言っていられません。健康で働けるうちが貯め時と考えていただきたいのです。貯蓄が予定通りできていることが前提ですが、一年に1回くらいは旅行するなど贅沢をしてもいいかもしれません。ただ、いつかは訪れる老後に備えて、できるだけ貯蓄をしましょう」

年収300万円だからといって、むやみに不安にならずに、将来への貯蓄をしっかり見据えた家計管理を心掛けましょう。

(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

丸山晴美
丸山晴美
節約アドバイザー
ファイナンシャルランナー、消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、身の回りの節約術や、ライフプランに添ったお金の管理運用など幅広くアドバイスしている。近著「まるっとわかる!お金の基本」(宝島社)
ファイナンシャルランナー、消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、身の回りの節約術や、ライフプランに添ったお金の管理運用など幅広くアドバイスしている。近著「まるっとわかる!お金の基本」(宝島社)