公立小学校ならでは!近所の友だちと学校に通うことのメリット

第2回 公立小学校の失敗しない選び方
何事も、“初めて”のときは、なじめるか不安になるものですが、それは小学校も同じ。公立小学校に通うメリットとして、「近所に住む顔なじみの友だちと一緒」ということが挙げられますが、他にはどんなメリットが挙げられるのでしょう?

(1)「登下校を一緒にできる友だちがいること」、(2)「放課後に遊べること」、(3)「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」。そう話すのは、教育ジャーナリストの中曽根陽子さん。

公立小学校ならでは!近所の友だちと学校に通うことのメリット

公立小学校のメリット1●登下校を一緒にできる友だちがいること

小学校に上がりたての頃は、まだ交通ルールにも不安があるし、不審者に遭遇することも想定できるため、何かと心配事が多いもの。中曽根さんは、「登下校を一緒にできる友だちがいること」は、メリットのひとつと言います。

「小学校は、学区の中で通学路を設けており、多くは通学路ごとに縦割りの登校班を設けていて、集団登下校をする際に利用します。集団登校日以外は、それぞれで通学しますが、低学年のうちは特に、近所のお友達と一緒に登下校をする機会が多いと思います。休みの連絡も、学校に直接連絡するのではなく、連絡帳を近所の友達に預けるようにという学校もありますし、安全面からも、近所に顔見知りの友達がいると安心です」

公立小学校のメリット2●放課後に遊べること

続いて、2つ目のメリットである「放課後に遊べること」について解説してもらいました。

「塾や習い事などで、放課後遊びができなくなってきているとはいえ、子どもにとっては遊びの時間も貴重です。子どもが自分で移動できる範囲に友だちがいるのは、親にとっても安心です」

また、最近では、共働き夫婦も増えており、下校後はひとりでお留守番をする子どもも多いのではないでしょうか? そうした家庭においても、誰かと一緒にいる(ひとりではない)ということは、安心につながりそうです。

公立小学校のメリット3●親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと

3つ目のメリットは、「親同士が顔見知りになりやすく、つながりをつくりやすいこと」と、中曽根さん。これはどういうことでしょう?

「子どもが小学生になると、少しずつ子どもの行動半径も広がり、親の目が届きにくくなります。子どもの友だちとその親も一致しにくくなるなか、一緒に登下校する友達はとりあえず、家の場所もわかりますし、親同士もコミュニケーションを取りやすいので、つながりがつくりやすいのではないでしょうか。子育ては自分だけではできないので、地域に知り合いがいて、学校や地域の情報を得たり、困った時に“お互い様”で助け合ったりすることができたら心強いでしょう」

実際、2011年の東日本大震災のときには、帰宅できなくなってしまったママが、近所の友だちの家で子どもを預かってもらい助かったという話もあるとのこと。近所のつながりがなければママも子どもも途方に暮れていたかもしれません。

私立の場合、電車で通ったり、仲良しだった友だちと離れ離れになったりというのは、よくあること。公立小学校ならではのメリットもたくさんあるんですね。
(文・明日陽樹/考務店)

お話を聞いた人

中曽根陽子
中曽根陽子
教育ジャーナリスト、マザークエスト代表
紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、メディアでコメントを求められることも多い。また、母親のための探究型学び場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。近著に『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)がある。
紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、メディアでコメントを求められることも多い。また、母親のための探究型学び場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。近著に『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)がある。