経済DVは専業主婦が多い!原因や境界線、夫の心理を専門家に聞いた

経済DVは専業主婦が多い!原因や境界線、夫の心理を専門家に聞いた

第1回 もしかして”DV”に悩まされないで
近年、問題となっている「経済的DV(ドメスティック・バイオレンス)」。どのような暴力なのか、民間総合相談サービス SP解決センターの相談員に話を聞いた。

「経済的DVとは、配偶者の金銭的な自由を奪うことで相手を追い詰める暴力行為です。経済的DVに該当する可能性のある行為としては、次のようなことが挙げられます」

・生活費を渡さない
・家計の管理をすべて夫(妻)が握る
・お金の使い道を細かく管理・指摘する
・収入の金額や財産の状況を明かさない
・働きに出ることを許さない
・無断で借金を重ねる
・家にあるお金を無断で持ち出す
・仕事を辞めさせる
・自分は働かず一方にのみ労働を強制する

では、経済的DVの被害に遭いやすいのはどのような立場の人なのだろうか。

「被害者の多くは、専業主婦です。特に、妊娠中や出産直後に経済的DVの被害が始まるケースが多いですね。というのも、その間は妻が十分に働くことができない状況のため、夫から生活費をもらう立場になります。結果、夫との間に上下関係ができ、自分でお金をコントロールできなくなってしまうのです。加害者には『夫は金を稼ぐから一番偉く、妻は夫を立てるべき』と考えている人も少なくありません」(以下 相談員)

経済DVは専業主婦が多い!原因や境界線、夫の心理を専門家に聞いた

ただ、世帯によって収入は異なるため「ここからが経済的DV」という線引きは難しいように思える。一体どこからが経済的DVに該当するのだろうか?

「例えば妻が専業主婦の場合、夫の収入は家族全員のものですから、妻が生活費に困っているのを知り、かつお金にゆとりがあるのに生活費を渡さないのは経済的DVです。ほかには、夫が仕事をしないで妻に働かせ、妻が稼いできたお金を夫が使い込むケースや、生活費に困って自ら働きに出た妻を辞めさせたりするのも経済的DVに該当します」

「家にお金を入れない」という場合でも、1カ月3万円なのか10万円なのか、金額で考えると明確な線引きが難しい。しかし、「金銭的な制限によって、相手を身動きの取れない状況に追い込む」のが経済的DVの判断基準になるので、客観的にみて生活できるかどうかがひとつの目安になるだろう

「DVとは加害者が被害者を恐怖によって支配することで起こります。被害者は加害者に対する恐怖心から洗脳状態に陥り、抵抗できなくなるため本人だけで解決するのは困難。家族や友人、相談機関など、第三者の協力やサポートが不可欠です」

相談機関は、全国さまざまな場所に存在する。もし自分が被害に遭っていると感じたら、第三者に相談することが事態改善の近道だ。
(北東由宇+ノオト)

SP解決センター
年間3万件の相談実績を誇る民間の相談センター。DV問題、離婚問題をはじめ、多様化する現代のトラブルに対応すべく、各分野のエキスパートが在籍し、悩みの解決に努める。 東京新宿店 tel:0120-73-4433 東京中央店 tel:0120-78-4433
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