そこで今回は潮干狩りを計画する際に知っておきたい事前準備について、千葉・木更津の潮干狩り場「木更津海岸」を運営する、木更津漁業協同組合の根本昌彦さんに話を聞いた。
潮干狩りができる日時は、潮の満ち引き時間で決まる
まず潮干狩りができる時間は干潮時のみ。事前に海岸の干潮と満潮の時間を把握するのは、基本中の基本だ。
「意外にそのことを知らずに足を運ぶ人もいます。干潮と満潮の時間は各海岸によって違います。まずは潮干狩り会場のホームページなどをチェックして、実施できる日時を確認してください」(根本さん 以下同)
たとえば干潮の時間が10時であれば、潮干狩りができるのは8時~12時の間(干潮時の前後2時間程)。つまり行きたい日に潮干狩りができるかどうかは、潮の満ち引きに左右されるのだ。時間は長くでも5時間くらいだが、潮廻りによっては3時間になることや、風向きで満潮が早くなって短縮されるケースもある。
「当日、一番干潟ができる干潮時間の前(引き潮の時間内)に、来場するのがおすすめです。引き潮は、干潮時間の前2時間くらい。潮が引くことで一面が干潟になる光景をぜひ目に焼き付けてほしい。それも潮干狩りの醍醐味のひとつです」
またゴールデンウィークは潮干狩りのハイシーズンとなるが、混雑を避けるのなら「ゴールデンウィーク以降がおすすめ」だという。
「潮干狩りの話題をメディアで取り上げられることが多いのはゴールデンウィークの間ですが、実は7月まで潮干狩りはできます。夏場は梅雨があるのでできない日も多いですが、晴天の日はまったく問題ありません」
水辺は冷えるので、防寒対策は万全に!
日程が決まったら、次に考えなくはいけないのは「持ち物」。最低限なところでは、アサリを掘る「熊手」と、獲ったアサリを入れる「ネット」、獲ったアサリを持ち帰る「発泡スチロールの箱」や「クーラーボックス」が必要となる。ただこれらは潮干狩り場であれば、販売されているケースがほとんどなので、現地調達も可能だ。
一方でアサリを獲るための道具ではないが、持参したほうがいい持ち物もたくさんあるという。
「小さいお子さんと一緒に行くなら、防寒対策は万全にしましょう。水辺は陸地より風が冷たいので、子どもが寒くてぐずってしまうことも。また干潮でも濡れてしまうので、着替えも多めに持ってください。あとは日焼けを防ぐつばの広い帽子、熱中症対策の飲み物、水面に入るときに履く靴を用意するといいと思います」
干潟を歩くときに素足だと、貝殻などを踏んでケガをするリスクがある。できれば肌が露出しているビーチサンダルなどではなく、長靴のようにきちんと足が覆われた靴を持参したい。
砂抜きに使う、海水を持ち帰るペットボトルも必須!
さらに想定したいのが、アサリを食べるための下準備。発泡スチロールの箱やクーラーボックスにアサリを入れて持ち帰った後、家で砂抜きをする際に必要となるのが「海水」だ。
「当海岸では持ち帰り用のペットボトルがありますが、用意がないところでは自分で空のペットボトルを持参する必要があります。目安はアサリ1キロ当たり海水1リットル分。ほかにも夏場は貝が傷みやすいので、保冷剤があるといいですね」
干潟とはいえ海はいろいろな危険や想定外がつきもの。小さい子どもがいるならなおさら、行き当たりばったりではなく、事前の情報収集と準備は万全に整えたい。
(取材・文:高山惠 編集:ノオト)