砂抜き方法は、スーパーのアサリと違うので要注意
持ち帰ったアサリを食べるために必要となるのが「砂抜き」。木更津漁業協同組合が推奨する砂抜き方法は以下の通りだ。
1)アサリを桶などに広げてできるだけ平らにしたら、持ち帰った海水をアサリが浸るくらいに入れる。
2)桶に新聞紙などをかぶせて暗くし、振動を与えずにそのまま放置する。
3)4時間から一晩放置したら砂抜きは完了。一晩以上置くと痛むので、それ以上は放置しない。
使用する海水は、潮干狩りから帰る際は必ずペットボトルなどで持って帰るのが鉄則だが、うっかり忘れてしまった! という人もいるかもしれない。そんなときはどうすればいいのか。
「海水がなければ、海水の濃度に潮を入れた真水でも一応可能です。塩の目安は“舐めてしょっぱいと感じる”くらいでしょうか。ただ味覚には個人差があり、濃度は海によってまちまちなので、完全に再現することは難しいもの。失敗しないためにも、海水の持ち帰りは絶対に忘れないようにしましょう」
ちなみに一般的な砂抜き方法をインターネットで検索すると「ぬるま湯に入れる」「包丁やくぎなどの金属を入れる」などの方法が出てくる。そういった方法はどうなのか。
「試したことがないので、正直何ともいえません。ただ、スーパーなどで売られているアサリと、潮干狩りで獲れたアサリとでは、砂の量が全く違います。市販のアサリはすでに砂抜きされることも多いので、それを基準に『ぬるま湯だと砂抜きが早くできる』といわれているなら、潮干狩りで獲れたアサリで試すのはおすすめできませんね」
砂抜きしたアサリを即冷凍すれば3カ月は食べられる
鮮度を考えるなら、砂抜きしたアサリをその日に食べるのが一番おすすめなのはいうまでもない。しかし大量で食べきれないケースも多く、最適な保存方法が気になるところ。
「翌日であれば冷蔵庫で保存できます。ただ、砂抜きをすると鮮度がどんどん落ちるので、次の日に食べるなら砂抜きも遅らせるのがおすすめ。もしくは、冷凍すれば砂抜きをしても鮮度が落ちないので、砂抜きをした後にすぐに小分けに冷凍するのもいいと思います。冷凍すれば最長3カ月は持ちますよ。冷凍したアサリはそのまま調理してOKです」
ちなみに潮干狩りシーズンの春先から初夏の場合、常温保存は痛みの原因となるので避けたほうがいいとのこと。ネットで検索すると、アサリの保存方法としてさまざまな情報が掲載されているが「アサリの価格はかなり高騰しています。根拠のない情報を鵜呑みにして、アサリをダメにしてはもったいないですよ」と根本さん。せっかく苦労して獲ったアサリをダメにしないよう心掛けたい。
(取材・文:高山惠 編集:ノオト)