サークル、講座…サードプレイスに注目

サークル、講座…サードプレイスに注目

第4回 「ママカースト」どう立ち向かう?
子育てをするうえで心強い存在であり、ときに支えにもなってくれる“ママ友”。一方で、ママカーストとよばれるママ同士の殺伐とした格付けなども取り沙汰され、ママ友との付き合いに臆病になってしまうという人も多いようです。

●ママだけの世界から羽ばたく努力を

子どもを持つと行動範囲が限定されてしまうもの。そのうち自分でも気がつかないうちに、人間関係や価値観が狭くなりがちです。そんなママたちが集まるとやはり世界が狭くなり、ママカーストで格付けし合う状況に陥りやすくなってしまいます。

そうならないためには、どんなことに気をつけるべきなのでしょうか。ママ向けの子育て講座などを開催しているファインコーチングの山崎洋実さんにお話を聞きました。

「私は、『子持ちの主婦のゴールデントライアングル』と呼んでいるのですが、ママたちは『家』『スーパー』『公園』という本当に限られた狭い範囲の中で暮らしています。子どもと家庭を中心に世界が回っているんですね。ただ、これは誰しも同じことが言えるのですが、人というのは自分がいかに狭い世界にいるかを忘れてしまいがちです。とくに、子どもが自分のすべてであるかように考えてしまうママの場合は、自分で勝負が出来なくなってしまいます。そうなると、噂話や悪口を言って時間とその場をやり過ごす方向に進んでしまいます。でも、それってすごくつまらないし、人生の貴重な時間を無駄にしていると思います。気をつけるべきことがあるとしたら、世界と視野を広げるため行動しようとすることです」(山崎さん、以下同)

自分自身の話がない以上、ママ友の共通点である子どもや夫、しいてはその場にいない身近なママ友の話などに話題が集中してしまうのは致し方ないのかもしれません。悪口にならないまでも、人の話題で時間を潰すのは確かにもったいなく感じられます。

●家庭とママ友に加えて3つ目のコミュニティを作る

最近は、子どもという共通点で結ばれたママ友や家庭という2つのコミュニティだけでなく、共通の趣味嗜好を持った人たちが集まる3つ目のコミュニティ『サードプレイス』を作ろうとするママたちも多いようです。

「いまはSNSでも多くの社会人サークルの仲間を募集していますので、やってみたかったダンスや趣味、ママ向けの講座など気になるコミュニティにちょっと足を突っ込んでみてもいいかもしれません。そうした場所なら、『共感点』が一緒の人が高確率で見つかるはずです」

サークル、講座…サードプレイスに注目

共感点が多い人、言い換えれば波長が合う人たちと過ごしていると人間関係構築のストレスも軽減されるそう。また、違うコミュニティに自分を置いてみることで、視野を広く持てるのだとか。

「所属しているコミュニティが家庭以外に1つしかないと、そこでの価値観に縛られてしまうものです。なので、そこで格付けされたり悪口を言われたりしてしまうと逃げ場がなく、気持ちも追い詰められてしまいます。逆にコミュニティが多ければ多いほど、1つの場所で何を言われようが大丈夫という余裕が生まれます。視野を広く、客観的に物事をとらえられるようになるわけです。そうすると、いい意味で自分のステージを上げることになるんです」

ママがイキイキしていると、子どもも嬉しいもの。ひとりの女性として成長するためにも、サードプレイスの存在は大きいのかもしれません。
(文・末吉陽子/やじろべえ)

【取材協力】

山崎 洋実
山崎 洋実
Fine coaching(ファインコーチング)主宰。1971年静岡生まれ。旅行代理店、大手英会話学校勤務時代を通して接客&人材育成の楽しさを知る。結婚退職後コーチングに出会い、これまでやってきた事がコーチングだったことを知り体系的に学ぶ。その後妊娠出産、3年間の専業主婦生活を経て、身近なママ友達向けにママ向けのコーチング講座を開催。日本一ママをコーチングしている。
Fine coaching(ファインコーチング)主宰。1971年静岡生まれ。旅行代理店、大手英会話学校勤務時代を通して接客&人材育成の楽しさを知る。結婚退職後コーチングに出会い、これまでやってきた事がコーチングだったことを知り体系的に学ぶ。その後妊娠出産、3年間の専業主婦生活を経て、身近なママ友達向けにママ向けのコーチング講座を開催。日本一ママをコーチングしている。