がんになって向き合った本当の自分 俺の人生、ラッキーかも?
僕が料理好きなのは元来、人に喜んでもらうことが好きだから。なかでも最高にうまそうに食べてくれるのが妻です。彼女とは何を食べても美味しい。実は、彼女の最初の妊娠が分かった3日後、僕に初期の肺腺がんが見つかりました。抗がん剤治療も受けながら、新しい命を迎えるために、絶対生き抜いてやろう!って。だからよく食べるのが野菜です。入院中、妻が毎日つくってくれたのが、にんじんジュースでした。
2018年に完全復活宣言した時の雑誌インタビューでも話したのが、「これで今までとは違った芝居ができるかもしれない」「あ、この気持ちは忘れないでおこう」とか、「“せっかく”がんになって、同じ年に子どもが生まれるなんて、俺の人生ラッキーかも」と。
「食は人の天なり」。食は人々の命をつなぐ最も大切なものという意味です。とくに野菜は大事! 健康に生きるためには絶対に必要なものです。
<プロフィール>
なかむら・しどう 1972年、歌舞伎の名門の家に生まれる。父親の初代獅童が役者を廃業し、後ろ盾のないまま母親と二人三脚で精進。81年、歌舞伎座で初舞台を踏み二代目中村獅童に。故中村勘三郎(18代目)が稽古中、群衆の1人を演じていた獅童の光る才能を見いだす。名の由来は「獅子のように激しい魂を持ち、童心を忘れない」。幅広い演技力でドラマ・映画・舞台で活躍中。
映画『みをつくし料理帖』全国公開中!
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会
story:時代は享和二年の大坂。8歳の澪と野江は仲の良い幼なじみ。そんな2人が大坂の大洪水で生き別れる。舞台は江戸の神田に移り、別々の人生を歩む2人が強い絆で引き寄せられるまでを描いた、涙なしでは見られない物語。
出演:松本穂香 奈緒 若村麻由美/石坂浩二(特別出演)/中村獅童
製作・監督:角川春樹
脚本:江良至、松井香奈、角川春樹
原作:高田郁『みをつくし料理帖』(角川春樹事務所)
◇百菜元気新聞の2020年10月1日号の記事を転載しました。
配信: たべぷろ
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