●初心者ママが陥りやすい粉ミルク選びの勘違い
じつはこの粉ミルク選び、初心者ママの多くがある勘違いをしているといいます。
「粉ミルク選びのアンケートで『選ぶ基準』を聞いたところ、最も多かったのは『産院で使っていたから』という回答で、約4割に上ります。実はこれこそ落とし穴。産院で開かれる“ミルク相談会”などで使用していたミルクを『産院が推奨しているから安心』と考えてしまうママが多いのですが、こうした相談会はメーカーが産院に無料でミルクを提供し、メーカー派遣の指導員が産後のママを集めて行っているもの。つまり、産院が推奨しているわけではなく、むしろ産院側は『どれも同じ』と考えている場合が多いんです。その証拠に多くの産院では、複数の粉ミルクをローテ―ションで使っています」(木村さん)
なるほど。では、やはり「成分」で選ぶのが正解なのでしょうか?
「じつはそれも微妙です。そもそも粉ミルクの成分と量は健康増進法で定められています。よって、各社の成分は“ほとんど同じ”なんです。もちろんそこに各社が+αの成分をプラスすることでより母乳に近づけるべく努力をしているのですが、基本的にはどれを選んでも間違いはないはずです」(同)
●基本的には「好み」や「価格」で選んでOK
よって、一番重要なのは赤ちゃんの「口に合うかどうか」。粉ミルクには濃厚なものもあれば、さっぱりしたものまで、その味にはかなり違いがあるといいます。いくつかのものを試して赤ちゃんが食べやすいものを選び、味に飽きないよう、たまにいつもと違うものを選んであげるのがいいようです。
「あとは単純に価格で選ぶのもアリだと思います。たとえば和光堂の『レーベンスミルクはいはい』は宣伝費をカットすることで大幅に安く提供しています。また、使いやすさを重視してフタを外さなくても折れて開くフタ一帯型のものや、計量用のすりきりがついているもの、調乳のしやすいものなどを選ぶのもいいでしょう。
赤ちゃんの健やかな成長の糧となる粉ミルク。まずは正しい知識を身につけたいところです。
(文・前田智行/やじろべえ)