離婚問題研究家で、『ある日突然妻がいなくなった』(ベストブック)、『「最高の離婚」のつくり方』(自由国民社)などの著書を持つ岡野あつこ先生は言う。
「離婚につながりやすい奥さんに共通しているのは、ダンナさんのプライドを傷つける言葉を使う傾向があることです。夫と完全に対等になり、一目を置くことを忘れているから、思ったことをそのまま言ってしまうんですよ」(岡野先生 以下同)
岡野先生が実際に数々の離婚相談のなかでよく耳にする、「夫が言われて嫌だった言葉」を挙げてもらった。
●仕事への口出し
・仕事が忙しいときに妻に言われる「本当に仕事なの?」「本当に残業なの?」などの疑いの言葉
・「もっと稼いでよ」「こんな安月給で偉そうにしないで」といった直接的な攻撃の言葉のほか、「私だって欲しいものも買わずに我慢しているんだから!」などという皮肉。
●相手の親・兄弟に関すること
・「あなたのお母さんって、意地悪よね」「あなたのお姉さんってケチよね」など、相手の身内の悪口。
ただ、「仕事への口出し」は、相手への期待や、ハッパをかける意味もあるだろうけど…。
「本人としてはハッパをかけているつもりでも、言われたほうは『仕事がどれだけ大変かわかりもしないくせに』と思ってしまいます。期待の表れのつもりが、愚痴で終わってしまうんです」
また、相手の親に嫌なことを言われたときなど、ついグチをこぼしたくなることもあるだろう。だが、これも「主体」を変えて伝えるだけで、相手に与える印象がグンと変わると、岡野先生は言う。
「たとえば、『稼ぎが悪い』と言うのではなく、『あなたには力があるのに、会社は全然わかってない』と主体を会社に置き換える。お母さんのことを話すなら、『お母さんが〇〇って言うんだけど、私、嫌われているのかな』『私、何か失礼なことしちゃったかな』と、主体を自分に置き換えると良いんです」
正面からのグチやダメ出しは、ケンカにつながるだけで、相手を良い方向に変えることはできない。一緒に生きていく相手だからこそ、ストレートに思ったことをぶつけるのではなく、相手の心をプラスに動かす言葉を選んで使ってみては?
(田幸和歌子+ノオト)