乳幼児が一緒でも、図書館へ行きたい場合はどうすれば? 杉並区立中央図書館事業係長の犬塚加代子さんに、子連れママの図書館の楽しみ方について話を聞いた。
「近年、図書館では子育て支援のための取り組みに乗り出しています。子どもが楽しめるのはもちろんのこと、子連れの保護者の方に気兼ねなく図書館を利用してもらうのが大きな目標。杉並区の図書館では、『あかちゃんタイム』を導入し、乳幼児連れの利用者をサポートしています」(犬塚さん 以下同)
「あかちゃんタイム」は、小さな子どもと保護者専用の時間。館内放送で利用者に周知をしてくれるので、子どもも安心して過ごすことができる。また、図書館の入り口にも看板を設置して周知を行っている。児童書コーナーの一角では、ベテランのボランティアさんが読み聞かせをしたり、一緒にわらべうたを歌ったりと、親も子どもたちも大喜びだ。
参加しているママからは「書店でじっくり本を選ぶ余裕がないので、あかちゃんタイムを利用して自分の本も選んでいる」「ボランティアさんの読み聞かせに熱中している子どもの姿を見て、自分でも読み聞かせを始めるきっかけになった」といった声も寄せられている。
また、「お散歩コースに組み込んで、先輩ママに育児の相談に乗ってもらっている」「周りでブームの絵本を互いに教えあっている」など、ママたちの情報交換、息抜きの場にもなっている様子。
同図書館では、「ぬいぐるみのおとまり会」というユニークな企画も実施している。アメリカ発祥のこの企画は、子どもたちからお気に入りのぬいぐるみを預かり、閉館後の図書館を冒険してもらうというもの。ぬいぐるみがみんなで絵本を選んだり、ヘッドフォンをして音楽を聴いたりする様子を職員が撮影し、アルバムにして子どもにプレゼントしている。
「全国で『あかちゃんタイム』や『ぬいぐるみのおとまり会』を実施している図書館は限られていますが、新しくできた図書館では児童書専用のフロアが設けられている場合が多く、子連れでもストレスなく過ごせるはず。子どもが喜ぶイベントも各図書館で実施されているので、お近くの図書館にまずは確認してみてください」
出産を機に図書館から遠ざかってしまったママも、子どもと一緒に訪れると新たな発見がありそう。子どもの好きな絵本をママ同士で共有すれば、ママ同士のコミュニケーションの一助にもなるはずだ。
(波多野友子+ノオト)