女性ファイナンシャルプランナーによる、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」の武田明日香さんに聞いた。
「住宅ローンの借り換えには、様々な手数料がかかります。借り換えの前後で総支払額を比較し、得になるかどうかが目安になります。手数料と比較したとき、お得になれば借り換えしたほうが良いというのが、ひとつの判断基準です」(武田さん 以下同)
もともと「残高1000万円以上、残期間10年以上、金利差1%以上」という基準は、借り換えしたときに、約52万円得になる目安だそう。つまり、手数料が52万円以下だったら、お得になるわけだ。
「ただし、最近では、手数料も0円というネットバンキングもありますし、この前提は変わってきている印象がありますね」
今は非常に金利が安いため、固定金利より変動金利のほうがオススメと聞くこともある。これって本当?
「一概には言えないですね。幼い子のいる家庭では、今後金利が上昇した際に収入アップが追いつかず、かつ教育資金がのしかかってくるタイミングが重なると、ダブルパンチになってしまいます」
変動金利を選ぶ場合には、「+2万円」の支払いに耐えうるかを目安として基準とすると良いそう。
「金利が上がり続けるなか、ずっと借りているケースは考えにくいですし、上昇の過程ですぐ借り換えるわけでもないですから、毎月の返済が『+2万円』」になっても、家計的に問題ないかを基準として考えましょう」
また、固定金利にしておくと、ある程度ライフプランを立てられるというメリットがあるそうだ。
正直、住宅ローン借り換えのメリット・デメリットとは?
「メリットは総支払いの金額が下がり、お得になること。デメリットは、借り換えの手間がかかるわりに、あまりお得にならない場合です」
今はネットで借り換えの仮審査が簡単に受けられる時代。もし、借りられなかったという情報がいくつもあると、一部ではほかで借り換えを検討する際に信用情報に傷がついてしまうリスクがないわけではないそう。
だが、それを差し引いても、総支払額が少しでも安くなるなら考慮する価値はアリ。まずは各金融機関の「借り換えシミュレーション」などを利用して、借り換え前後の金額を比較してみては?
(田幸和歌子+ノオト)