そもそも、自分にどのくらいの保障が必要なのかもよくわからない…。女性ファイナンシャルプランナーによる、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」の武田明日香さんは次のように説明する。
「昔加入した保険の場合、保障内容が現状と合ってない場合があります。例えば、新入社員の頃などに保険に加入し、結婚した後もお互いそのままなんとなく払い続けて、気づいたら中身が全部掛け捨てだったケースは多いんですよ」(武田さん 以下同)
独身時代に入ったままで、家族の人数が変わっていたり、死亡受取人が奥さんではなく母親のままだったりと、いざというときに使えない保険ということもありえるそう。
「そもそも保障内容を把握してない方が多いんです。保障内容は保険の証券に書いてあるので、まずは自分で確認しておきましょう」
また、医療費の自己負担額が高額になった場合に、一定額を超えた分を後で払い戻してくれる「高額療養費制度」がある。そうした制度を考えると、そもそも保険が必要なのかも気になるけど…。
「確かに、国が高額療養費制度を保障してくれていることも知らない人はけっこういますね。まずはそれを知ったうえで、保険に入ることが必要かどうか見極めましょう。医療保険や生命保険は絶対入らなきゃいけないわけじゃなく、金銭的リスクがある人が入るものですから」
逆に、医療保険や生命保険に入らなくて良いのはどんな人?
「貯蓄が十分にあり、何かあったときに貯蓄でヘッジできる人は、保険の必要がないと思います。貯蓄の目安としては、生活費の6カ月分。それがない人は保険で備えておくと、何かあったときに安心ですね」
ちなみに、掛け捨て保険の支払額の目安は、手取り収入の2%だそう。たとえば、手取り30万円の家庭の場合は、6000円程度が見合った額で、それ以上を掛け捨てしているなら、収入に見合ってない保障額だそうだ。
「特に専業主婦家庭の場合、ご主人に何かあったら心配ということで、高額の保険をかけているケースが多いですが、それなら万が一何かあったときのための貯蓄として備えておいたほうが良いですよ」
保険は本来、金銭的リスクを回避するために入るものなのに、ヘッジに見合わない保険なら無駄になるだけ。保障内容と、収入とのバランスを見直してみては?
(田幸和歌子+ノオト)