ほとんどの人が足のサイズという意味で“長さ”を基準にしているだろう。しかし、「青山フットケアアカデミー」代表の福井健太郎さんからすると、これだけでは正しい足のサイズを示せないという。
「足のサイズは、長さ以外に“ウィズ”も大事なんです。ウィズとは、足の甲周りの太さ(足囲)のこと。胸囲などと同じ要領で測り、細い順にA、B、Cと段階別に表されます。ただし、市販の靴のサイズ展開はというと、やはり長さのみ。ウィズは、メーカーが靴を製造するうえで一定の基準こそ設けているものの、ウィズ別にサイズ展開されるケースはほぼありません」(福井さん 以下同)
しかも、メーカーごとに設けている基準もまちまち。そのため「同じ23cmの靴なのに、こっちのメーカーの靴はキツくてこっちのはブカブカ」といったことが起こるのだそうだ。
「現代人のウィズは細い傾向にあり、とくに細い部類に入る『A』『B』の人も少なくないのですが、市販の靴は『C』や『D』を基準に作られることが多い。なので、知らず知らずのうちにブカブカの靴ばかり履いている…なんてこともあるんです。スニーカーの場合はひもで調節することができますが、パンプスはそうはいきません。歩くたびにかかとが浮くなど、非常に歩きにくい状態を生んでしまいます」
だからといって、小さめの靴を選んでしまうと靴擦れを起こしたり、最悪の場合纏足になったりすることもあるという。
普通に履いたらブカブカ、ワンサイズ小さくすると足に悪影響。どちらに転んでもダメみたいだけど、じゃあどうすればいいのだろう?
「そこはやはり、インソールで調節するのが得策でしょうね。パンプスの場合は、足の甲の両端にある出っ張り(ポールジョイント)が内側から靴を圧迫するまで、インソールを敷いてください。同時に、かかとのスキマを埋めるのも大事ですよ。これだけで、足にフィットするようになります」
ちなみに、脱いだときの見栄えが気になるなら、もともと敷いてある中敷きの下に敷いてもいいとのことだ。また、大型店舗なら「足が細い人コーナー」がある場合も。ウィズがA、Bの人でもピッタリの靴がそろっているので、行ってみるのも良いだろう。
足の大きさは十人十色。だからこそ細かく調節して、いたわってあげるのが一番だ♪
(松本まゆげ+ノオト)