「それなりにまとまった額で当面は使用する予定がないお金を“余裕資金”と呼びますが、余裕資金がある家庭なら一括で前納してもいいでしょう。私ならそうします」と言うのは、学資保険に詳しいファイナンシャルプランナーの森本希代子さん。
「これは学資保険に限りませんが、例えば500万円の貯金があるなら、100万円は何かのときに流動的に使えるお金として、200万円は教育資金や住宅ローンなど中期的に使途用に、残りの200万円は長期運用資金として、“箱分け”の発想で仕分けするといいですよ」(森本さん 以下同)
つまり、学資保険の全額に相当する支払保険料が“余裕資金”としてあるのならば、いっぺんに支払ってしまうのが返戻率(戻り率)を考えると一番お得になるのだそう。
●学資保険の支払、無理な一括払いは禁物!
「ただし、返戻率がお得だからといって、貯金が200万円しかないのに、無理して200万円を一括でまとめて払うは絶対におすすめしません。人生はいつ何が起こるかわからないもの。いざというときに使える流動資金がないと困りますよね。そういう人は、毎月コツコツと堅実に月払いするスタイルをおすすめします」
ちなみに、保険料の払込期間は各社とも17・18歳までが一般的。これは出費の多い大学時代の負担を避けるためだ。だが、必ずしも17・18歳まで毎月払うスタイルばかりではなく、10歳や12歳までに払い込み終えるプランや、余裕があるときに数カ月~数年分をまとめて前納することで割引されるプランもある。
また、契約者を夫婦どちらにするかという悩みもある。
「主たる生計者、つまり収入の高い方が契約者となるのが一般的です。その人に何かあったとき、保険料払込免除特例が適用されますから。夫が働いていて妻が専業主婦の家庭なら夫が、共働き家庭なら高い収入を得ている人が契約してください」
最近では夫婦共働きの家庭も増えている。夫婦どちらもほぼ同じくらいの収入の場合は、どちらの名義にすればいいのだろう?
「その場合はどちらでも大丈夫です。例えば兄弟が2人いるなら、上の子は夫、下の子は妻の名義で契約する、という形にすれば、どちらかが倒れたときのリスク分散になります」
誰の名義で、どのくらいの金額を、どんなスタイルで積み立てていくか。まずは夫婦でじっくり相談することから始めよう。忙しいからといって先延ばしにしてしまっては、手遅れになるかもしれない。子どもの成長は駆け足なのだから!
(阿部花恵+ノオト)