「モラハラをする人には、『自分だけは特別』という間違った特別意識があったり、肥大化した自己像があったりするのが特徴です。そして、自分が思い描く自己像と、現実での扱われ方の差に不満を抱え、自分を特別に扱うことをターゲットに対して強要するんです」(佐藤さん 以下同)
例えば、「自分はすごく優秀な人間なのに、それを理解しない会社のやつらが馬鹿だ」などと、同僚の悪口などをよく言うのも、よくあるケースだそう。
「モラハラ人格の人は基本的に、現実の自分を直視したり、自分が持っている課題を真正面から受け止めたりすることができないので、それを妻などに背負わせる傾向があります。逆に、妻が夫に強要する場合もあります」
ちなみに、モラハラは夫婦間だけでなく、会社内やサークル内、ママ友同士など、どんな人間関係のなかにもあるそう。
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佐藤さんが指摘する「モラ夫」語録は、以下の通りだ。
・俺とお前を一緒にするな(対等だと思うなよ)
・お前、母親だろ!(女だろ、嫁だろ)
・誰のおかげで飯が食えてるんだ
・(共働きでも)家事は女の仕事
・バカ、死ね
・だったら離婚だ
また、佐藤さんはモラ夫の特徴を次のように分析する。
「実はストレスに弱く、自信がなく、強いコンプレックスを持っていること。ささいなことに不満を感じやすくキレやすい一方、外面はよく、周りの評価を異様に気にする面もあります。他者に対する共感力が欠如していることや、誰かを犠牲にしないと自尊心が保てないことも特徴です」
上記のような言葉を受けていても、受けるストレスよりも夫を愛する気持ちのほうが強かったり、互いに許しあえたりするのであれば、夫婦として問題は無いかもしれないけれど、「お互いさま」が成立しないならモラハラの疑いも。
だが、夫の言動がつらい、怖い、精神がもたないという場合は、子どもへの影響も考え、関係性を見直してみる必要がありそうだ。
(田幸和歌子+ノオト)