「街路樹の根元や図書館前などの花壇に咲いている花であれば、初心者でも育てやすいですよ」
こう話すのは、パリスタイルのフラワーショップ、モンソーフルール自由が丘本店で店長を務める柴崎奨平さん。それはどうして?
「これらは市や区などが管理していますが、常に水をあげられるわけではありませんし、排気ガスにもさらされます。それでも枯れないのは、花自体が強いからなんです。ということは、少しくらい水やりを忘れたとしても、すぐにしおれちゃうわけではないんです。春ならペチュニアやリーガースベゴニア、夏にかけてはマリーゴールド、冬から春にかけてはパンジーやヴィオラなどが育てやすいですよ」(柴崎さん 以下同)
●初心者が悩む…。花の成長に重要な土と水の扱いは?
オススメの花がわかったところで、気になるのが育て方。鉢やプランターで育てるときは、特に土が重要と聞いたことがある。
「腐葉土を買って、そのなかに固形肥料をしっかり混ぜて、ポット(購入時の鉢)から植え替えましょう。その際、鉢の底にある水はけ用の穴にネットを張って、次に軽石、その上に赤土を置いてから、固形肥料を混ぜた腐葉土を入れてください。そうすれば、水はけも良く、栄養もあって、土も流れていかない、花にとって理想の環境ができあがります」
かわいいあまり、思わずたくさん水をあげてしまいがちだが、「水はけ」には、水やり方法も重要なポイントとだ。
「水やりは毎日、朝方と夜の2回行うのが基本です。そうすれば枯れることはまずありません。お昼など暑い時間帯に水をあげるのは避けてほしいですね。というのは、その時間だと、土の中の水分が蒸発せずに残ってしまい、根腐れを起こすケースもあるからです。朝方の水分はお昼に蒸発する、という認識でいてください」
花は生き物で寿命がある。通年の多年生植物でさえ、基本的には一度枯れ、1、2カ月後に再び咲くというサイクルだ。花は2、3カ月ごとに季節に合わせて植え替えるのが、花を楽しむ保つコツなのだとか。
自分が世話をした花や植物が、生き生きと育つのを見るのは楽しいもの。ちょっとしたコツを押さえて、ぜひ玄関周りやベランダをプチガーデニングで華やかにしてみよう。
(二本松菊子+ノオト)