主催者を代表して審査委員長の新保清久社長は、新潟県は国内の80%のもちを生産していることを紹介。「弥生時代から日本で食べられているといわれるもちが、本日はどうしたらおいしく調理できるかを考えてほしい。当社にとっても新しいメニューをお客さまに提案できるということで期待している」とあいさつした。
石田道子学校長は、あらゆる全国大会や料理コンテストが中止となる中で「今回の機会をいただき、実施できる機会をいただいた」と謝意を示した。「過去に先輩たちは驚くレシピを開発しており、日本の伝統のもちを新しい食材としていつでも食べられるようにしてもらいたい」とエールを送った。
同コンテストは、将来の調理師を目指す学生に対して「地産地消教育の推進」と「食材教育の実地体験」を推進するため実施。地元食材のおいしさや素晴らしさに気づき、その良さを県内外に普及・伝承できる人材を輩出することを目的としている。今回はコロナ禍での開催のため、開会式や授賞式はZoomを活用し、会場も分散した。審査員向け試食も一人一人小分けにするなど今までにない形での開催となった。
料理時間は1時間以内で、メーン料理かデザートを1品選択。展示用と見た目審査用に1食ずつ、試食審査用に2食分を20等分に小分けして計4食分を制作した。
最優秀賞デザート部門の「もっチュロス」
最優秀賞のほかに、優秀賞には料理部門でメーン「ドォカンおもち」、デザート「おもちのホットパイ」、マルシン特別賞として「もちもちどらやき」がそれぞれ受賞。副賞には同社商品の詰め合わせなどが贈られた。
審査委員の新保尚志専務取締役営業本部長は、「毎年レベルが上がっている。この経験をプロになっても生かしてほしい」とあいさつ。講評として新保勇取締役副社長は「主食に近いもちを、食材として生かしていくことに感心した。生産者は良い商品を作るため、現場・現物・現象を大事にし、創意工夫に原理原則を大切にする。これを踏まえ、時代の流れといった市場性をとらえていい物を作っていってほしい。社会にでると非情なこともあるが、今日のような一生懸命な姿は評価される。今後の成功と活躍を期待している」と総括した。
◇日本食糧新聞の2021年1月15日号の記事を転載しました。
配信: たべぷろ
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