●近距離別居のメリットって?
「近距離別居のメリットは、親世帯の家に子どもを預けられることです。おじいちゃん、おばあちゃんからしてみると、かわいい孫の顔がしょっちゅう見られるのはうれしいことですね」(二松さん 以下同)
近年は共働きの夫婦が圧倒的に多いため、仕事が遅くなっても保育園や幼稚園のお迎えを祖父母にお願いすることもできる。さらに、運動会や習いごとの発表会など、孫のイベントにもフットワーク軽く参加できるのもポイント。近所に住んでいると、いざというときにお互いを頼れるので、普段から心強いのもよい点だ。
さらに、同居や二世帯住宅での同居に比べて「お互いが気兼ねをせずに暮らせる」という理由で、近年は近距離別居を選ぶ世帯も増えてきているそう。
●近距離別居にはデメリットも…?
メリットがいっぱいのように思える近距離別居だが、デメリットは何だろうか?
「近距離なのをいいことに、しょっちゅう孫を預けに来るお嫁さんにへきえきしているお姑さんも実はけっこういます。昔に比べ、親世帯でも、特に女性は若々しくてアクティブなタイプが多く、友人も多い。お出かけしようと思っていた日に『子どもを預かって!』と頼まれて困惑することもあるようです」
また、毎晩のように食事に来る、塾の費用などの金銭的な援助を頼むなど、「親世帯からの援助」を過剰に期待してしまう子世帯も増えているのだとか。
「ほかによくあるのは、親世帯がお嫁さんに対して、孫の教育観やしつけの方針を押し付けてしまうケースが見受けられます。孫かわいさにお菓子やおもちゃをなんでも買い与えてしまい、お嫁さんが不満に思っているパターンも非常に多いですね」
いずれも、遠距離だったらお互いに遠慮する部分も、近距離がゆえに距離感がなくなってしまうことに原因があるようだ。近くに住んでいても別の家庭であることを意識して、上手にメリットを活かしていきたい。
(ノオト+北東由宇)