●子どものケンカでモンペと対峙!
今回そんなエピソードを話してくれたのは、元気な小学3年生の長男と、いつもクールな中1の長女を持つYママさん。長男は野生児のようにやんちゃなので、学校からのお小言電話はしょっちゅう。おかげでYママさんは、夕方5時に電話が鳴ると“ビクッ”とするのだとか。
「この日は、珍しく7時頃に学校から電話がかかってきたんです。案の定担任の先生からで、『息子さんが、友人Tくんのノートに”バカ!“と落書きしたようで…。Tくんのお母様から抗議の電話がありました。”お詫びをしてほしい!“とおっしゃっているので、お電話して頂けますでしょうか?』と言われました。私はドキドキしながらTくんの家に電話をかけたんです」(Yママ、以下同)
なぜならこのTママ、学年中で有名なモンペ。「こんな嵐のなか、学校に行かせて、もしもケガでもしたらどうするんだ!」「嘔吐下痢症が流行っているのに、調理実習で団子を作らせるとは何事だ!」と、あらゆることに難癖をつけるそう。
「誠心誠意お詫びしたところ、『こんなひどいことを書かせるなんて、どんな教育をしているの?』『息子さんがやんちゃなのは、あなたが怒らないからでしょ!』と言いたい放題。私は、ただただ電話口で謝るしかありませんでした。学校からの電話でアタフタし、対応に追われた私は、落ち着いたところで、一緒にお風呂に入りながら、長男に『なぜ“バカ”と書いてしまったの?』と聞きました。すると長男はこう答えたんです!」
「最初に“バカ”と書いてきたのは、なんとTくんだったと言うじゃないですか! 私は体も洗わないままお風呂から飛び出て、計算ドリルをチェックしました。するとどうでしょう? “バカ!”と何個も書かれているではありませんか! はい…もう脱力でしたね。やんちゃというだけで、わが子を疑ってかかった自分にも腹が立ちました」
すぐに学校に電話をし、この件を伝えたYママさん。担任の先生は「そうでしたか…僕がきちんと、電話で息子さんに聞けば良かったですね。本当に至らなくてすみません。これからTくんのお宅に電話を入れて、事情を説明しておきます」と、謝罪してくれたという。そこで終わるはずだったこの事件簿、実はさらなる驚愕のオチが…。
「Tくんのママは引っ込みがつかなくなったのか、翌朝のホームルームの時間に学校に乗りこみ、子どもたちに『友だちに悪口を言うことがどれほど罪なのか…』を説教したらしいですよ。先生に言われてもなお、自分の子が悪口を書くわけがないと信じて疑わなかったのでしょうね。でも、ホームルームの時間に、Tママに教壇を明け渡す先生もどうなの? と思いました。頭にきたので、私はその日の夕方、担任の先生に計算ドリルを持っていって見せてやりましたよ」
自分の子を信じたい…気持ちはわかるが、親たる者それだけではいけない。ケンカ両成敗! それぞれの子どもたちの言い分を聞いて解決することが望ましいが、結果「言った言わない問題」になることがしばしば。もしも事件が起こったら…母親は相手側の言い分にも耳を傾け、「これも勉強!」と前向きに捉えることが大切なのかもしれない。
(構成・文/バービー イラスト/なとみみわ)