●妻の7割が「家出の衝動」に駆られている
まず、「夫婦喧嘩がもとで、実家あるいは友人宅など、自宅ではないところに一定期間滞在したくなることはありますか?」という質問をぶつけてみたところ、「実際に戻ったことがある」と回答したのは全体の26.6%。「戻りたくなることがある」(41.3%)という“予備軍”を含めると、じつに7割近くが家出の衝動に駆られていることになる。
気になるのはその原因だが、最も多かったのは「夫が家事や育児に非協力的」(33.0%)との声。その苦労を汲み取れない行動や態度は、夫が想像する以上に妻のストレスになっているのかもしれない。
【家出に至った喧嘩の原因ランキング】
1位 夫が家事や育児に非協力的(33.0%)
2位 内容を思い出せないくらいの些細なケンカ(25.0%)
3位 嫁・姑問題(9.7%)
4位 夫もしくは自身の浮気など交遊関係(7.4%)
4位 夫もしくは自身の借金など金銭問題(7.4%)
6位 子どもの教育方針のすれ違い(4.5%)
7位 夫の暴力(2.3%)
ちなみに、上記ランキングには含めなかったが「その他」の回答としては「話を聞いてくれない」(40代)、「夫が約束を守らず、しかも反省の色が見えなかったため」(20代)などのほか、「日々のストレスが積もり積もって」(30代)、「今まで溜めていた不満が爆発した」(30代)といった声も聞かれた。
家出という行動に至るまでに追い詰められた、妻の心情がうかがえる。
●一時的な別居が関係修復の糸口に?
次に、家出経験のある人に「実家にもどった期間」を聞くと、「1~2日」が最も多く39.1%。「3~6日」の21.7%と合わせ、約6割が1週間以内のプチ家出だが、なかには「6カ月以上」という長期戦になった人も4.3%いた。
では、家出を経て、その後の夫婦仲はどうなったのか?
「実家に戻ったあと、一定期間をおくことで夫婦仲は修復しましたか?」という問いに対し、最も多かったのは「修復し、今はまた一緒に暮らしている」で78.6%。次いで「修復したわけではないが、長期間自宅を不在にもできないので帰った」(17.1%)となった。
わずかに「修復できず、そのまま離婚に至った」(2.9%)ケースも見られたが、大半は短期間の“別居”を挟むことで、夫婦仲は改善に向かっているようだ。
喧嘩の遺恨を残したまま、ギスギスした状態で一緒に暮らし続けるのは、さらなる関係悪化を招きかねない。お互いに頭を冷やす意味でも、“一時別居”を挟むのは有効な選択肢のひとつといえるかもしれない。
(文・榎並紀行/やじろべえ)