離婚問題の相談を多数受けてきた、行政書士東京よつ葉法務オフィス心理カウンセリングルーム代表の佐藤千恵さんは次のように言う。
「離婚原因が夫側であれ、妻側であれ、DVやモラハラの場合には、もう二度と会いたくない、顔も見たくないという方は多いです」(佐藤さん 以下同)
一方、夫が浮気・不倫をして「ほかに好きな女性ができたから」「浮気相手が妊娠したから、一刻も早く離婚したい」などと突然言うこともあり、そうした場合は「青天の霹靂」であるため、受け入れるために女性は相当の努力や苦しみを強いられるそう。
そして、時間をかけて気持ちを整理している間に別れた相手に接触されると、気持ちの揺り戻しがある危険性もあり、「一切接触したくない」というケースは多いよう。
●離婚後に元夫と良い関係性になるケースも多々
「また、セックスレスが原因で離婚したケースもあります。同棲あるいは交際期間が長いと、結婚したときにセクシャルな関係になりにくい面があり、『友だちとしてならうまくいく』ということで、離婚後も共通の友だちなどをまじえて友情ベースで付き合っていることは、ときどきありますね」
また、ごく稀な例だが、「夫婦のときは互いへの甘えもあり、不満ばかりが見えて争いが絶えなかったのに、離婚後に他人同士になったら、良い距離感になれた」として、離婚後に夫婦の頃よりも良い関係性になるケースもあるそう。
ところで、離婚後は母親が親権をとるケースが多いため、離婚原因はどうあれ、「たまに会うだけの父親」のほうが、子どもに喜ばれる存在になってしまう寂しい面もある。
「子どもにとってはパパが『月1回会っていろいろ買ってくれる、優しくて楽しいスペシャルな存在』になるのは、ある程度仕方のないことです。ただ、父親は自分にかわってひとりで日々育児を頑張っている母親に感謝したり、応援したりしてほしいですね」
子どもが幼い頃は、たまに会うだけのパパが「いいとこどり」に見えるかもしれない。でも、一生懸命育ててくれるママの気持ちは、必ず子どもに伝わるはず。子どものためにも、離婚後の良い関係性を築きたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)