放置子の困った行動と対処方法。問題解決には周囲の協力も必要に

第117回 みんなが共感!ママのお悩み
子どもの交友関係が広がれば、なかには扱いに困る子どももいるかもしれません。もしも、自分の子どもが放置子と仲良くなったら、どう対応すればよいのでしょうか?子どもが放置子になる背景や放置子の困った行動、対処法を紹介します。

放置子って?

元々「放置子」という言葉は、インターネットのみで使われていたネットスラングです。具体的にどのような子どもを指すのか見ていきましょう。

親にほっとかれている子ども

放置子とは、文字通り「放置されている子ども」のことをいいます。放置されている理由は家庭によって様々ですが、普段の様子から背後に親や大人の姿が見えにくいのが特徴です。

その子どもを見ていると「食事はどうしているのかな」「親はあまり家にいないのかな」などと感じることがあるでしょう。放置子とよばれる子どもは、基本的にいつも1人または兄弟姉妹のみで過ごしています。

優しくしてくれる大人が大好きで、友だちの親でも自分の親であるかのように甘えたり、早朝深夜問わず家に来たりするのが特徴です。放置子が家に来るたびに、「正直戸惑ってしまう」と感じる家庭は少なくありません。

放置子が生まれてしまう要因

子どもが放置されてしまう理由は、様々あります。「親が忙しいのかな?」と単純に考えがちですが、それだけが理由ではないケースもあるようです。

必ずしもすべての子どもに当てはまるわけではありませんが、放置子が生まれやすい理由や背景について考えてみましょう。

家庭や周囲の環境

近年は「共働き家庭」が増え、帰宅しても誰もいないことは珍しくありません。親の仕事によっては深夜まであるいは早朝から家を空ける場合もあり、子どもに十分目を掛けてあげられないのが現状です。

「1人親世帯」や「ワンオペ育児」の家庭も多く、必然的に子どもは親なしで過ごす時間が多くなります。また、「社会の人間関係の希薄化」も放置子の増加に影響していると考えられるでしょう。

数十年前には当たり前のように見られた密接な近所付き合いは、現在減少傾向にあります。コミュニティ全体で子どもを育てるという意識がなくなり、「自分の子どもは自分の家庭で見るべき」という意識が強くなりました。

子どもが1人でいても声を掛ける人はなく、子どもは行き場を見つけられない状態です。

子どもに関心のない親もいる

「子どもが放置されるのは親が忙しいため」というケースが多いものの、放置子は共働き家庭に限定されるわけではありません。親が家にいる場合でも、「親の無関心」から子どもが放置されてしまうことはあります。

例えば、放置子の親のなかには子どもが家にいるのを好まなかったり、「ほかの家で遊びなさい」などと言っていたりする人もいるそうです。親の側に子どもを育てる上での覚悟や意識がなければ、親がいても子どもは放置されてしまうでしょう。

また、放課後や休日の過ごし方は、家庭によるところが大きくなっています。子どもに無関心な親の家庭は、学童に行かせたり習い事をさせたりすることがありません。遊ぶ相手も行く場所もなく、放置子は取り残されてしまいがちです。

放置子のちょっと困った行動

大人なら人との距離感やマナー、常識はある程度わかります。しかし、子どもの場合は発達途中であり、驚かされる行動を取ることも珍しくありません。

放置子と関わって対応に困ってしまったという家庭もあるようです。放置子とよばれる子どもに、比較的多く見られる行動を見ていきましょう。

頻繁に家に遊びに来る

多くの家庭が「困った」と感じているのは、放置子が頻繁に家に来ることです。行き場のない子どもは、家に上げてもらうと嬉しく感じます。「受け入れられた」と感じて、何度もその家に足を運ぶようになるでしょう。

この場合、我が子と約束している・していないは関係ありません。気が向けば毎日でも来ることが珍しくはなく、早朝・休日に来ることもあります。始めはかわいそうに思っていた家庭も、あまりに頻繁に来られると「ちょっと困るな」と感じてしまいます。

おやつをねだる

家に上げると、我が家のように自由に振る舞う放置子もいます。お腹が空けば、「おやつちょうだい」と平気で口にすることもあるでしょう。

通常は、親がマナーや人との関わり方を教えるのが一般的です。しかし、放置されるような子どもは、親のしつけや教えが行き届いていない場合があります。「他人との距離感」がわからない子どもは、そのとき思ったことをそのまま口に出してしまうのです。

また、親によっては、「おやつはよその家で食べておいで」などと子どもに言いつけているケースもあります。このような場合、子どもはよその家でおやつを食べることを当然と思っているのかもしれません。

なかなか帰らない

いったん家に来るとなかなか帰ってくれないのも、放置子あるあるです。ときには朝から夜まで居座られることもあり、「さすがにちょっと困る」と感じる家庭は多いでしょう。

放置子が自宅に帰りたくない理由は、様々です。家に帰っても誰もいなかったり、子どもが帰ると親が嫌な顔をしたりするためかもしれません。

どちらにせよ、その子どもにとって「自宅の居心地がよくない」のは事実です。放置子は、他人の家に温かさや安らぎを感じていると考えられます。

おもちゃやゲームを勝手に持って帰る

放置子が帰った後、物がなくなっていたというケースは、割合多く発生します。「他人のおもちゃが欲しい」と考えるのは、子どもには珍しくありません。

しかし、多くの子どもは「ほかの人のものを盗むことはよくない」と教えられています。一定の年齢以上の子どもなら、他人の物が欲しくてもがまんできるでしょう。

ところが放置子のなかには、「してはいけないこと」をきちんと教えられていない子どももいます。このような子どもは「人の物を盗る」ことへのハードルが低く、欲しいものを諦められません。他人の物でも、比較的ためらわず自分のものにしようとします。

家庭でできる対処方法と注意点

我が子の友だちが放置子だった場合、どのように振る舞えばよいのでしょうか?「かわいそう」だけでは済まない放置子への対応と、注意したいポイントを見ていきましょう。

ルールを決めて守らせる

我が子の友だちが放置子だった場合、遊ぶときのルールを決めるところから始めてみましょう。我が子と放置子に、決めたルールを守るよう約束させます。

基本的に、子どもは大人ほど「場の空気」に敏感ではありません。放置子に「空気を読んで帰ってくれればいいのに」「来る時間を考えてくれればいいのに」と期待するのは難しいのです。

子どもには、いつ・何をしても受け入れてくれる家庭と思われないよう、「ダメなことはダメ」「遊んでいい時間はこれだけ」とはっきりさせておくのが望ましいでしょう。

例えば、次のようなルールを定めてみてはいかがでしょうか?

・遊ぶのは平日のみで、○時まで
・家の中のものは勝手に触らない
・ほかの部屋に行かない

ルールをはっきりと伝えれば、わかってくれる子どももいます。放置子が来訪するたびに「また来た…」とストレスをためずに済むよう、「我が家は何でもありではない」と伝えましょう。

よくないことはNOという勇気をもつ

放置子が決めたルールや社会的マナーを守らなかったときは、大人としてきちんと注意することが大切です。放置子ならではの人との距離感のなさや常識外れとも思える言動は、そもそもマナーやルールを教えられていないことが原因かもしれません。

一つひとつ指摘して注意してあげれば、改善されることもあるでしょう。ただし、「これ以上関われない」と感じたときは、断る勇気も必要です。どんなにかわいそうでも、自分の家庭を犠牲にする必要はありません。

自宅にいる間に放置子に何かあれば、その責任を問われるのはそこにいた大人なのです。手に負えないと思ったら、公的な機関などに相談することをおすすめします。

子ども同士の関係を壊さない

放置子と我が子の関係について、親がとやかく言うのは控えましょう。親にとっては少し困ってしまう放置子ですが、我が子にとってはよい友だちなのかもしれません。「あの子と遊ぶのはやめて」などと言うと、我が子を傷つけるおそれがあります。

ただし、我が子の友だちだからと特別扱いするのは控えます。放置子が大人にばかり話し掛けてくるときは、我が子にも声を掛けましょう。

ここで気を遣って放置子にばかり構う必要はありません。「友だちの親」として、毅然とした態度で接することが大切です。

親に直接注意するのはNG

朝から晩まで放置子が入りびたっていると、「親は知っているのかな?」と気に掛かることもあるでしょう。しかし、放置子の親に会いに行ったり、直接話をしたりするのはおすすめできません。

放置子の親のなかにも良識的な人はいます。しかし、「子どもを放置していても気にならない」「子どもが朝から晩まで家を空けていても気にしない」という親と話をしても、よい方向に向かうことはまれです。

最悪、面倒なトラブルに発展してしまうかもしれません。放置子に関して何らかの働きかけをしたいと思ったら、まず周囲や関係機関に相談して個人で動くことは控えましょう。

改善されないときは周囲に協力を求めよう

放置子について相談したいときは、第三者の協力を得ることが有益です。放置子に悩んだときに駆け込みたい相談先を紹介します。

学校に相談する

放置子と我が子が同じ学校なら、学校に相談する方法があります。「担任に直接話す」「校長に相談する」など、関係者に相談するとよいでしょう。

このとき、学校が必要と感じれば、放置子の親に連絡をとって状況を確認してくれるかもしれません。相談者の名前は伏せてもらうようにすれば、トラブルの心配もないでしょう。

児童相談所へ連絡する

放置子の状況が明らかに普通と違ったりひどいと感じられたりする場合は、「児童相談所」への通報が必要です。「証拠がないし…」とためらう気持ちもあるかもしれませんが、児童虐待の通報では確証は不要です。

疑わしいと思われるだけの状態でも、通報しましょう。もしそれで何もないのなら、とりあえずは安心できます。子どもに万が一のことがないよう、勇気をもった行動が必要です。

児童相談所の「児童相談所虐待対応ダイヤル」は「189」です。この番号に掛ければ、すぐに最寄りの児童相談所につながります。

出典:児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について|厚生労働省

まとめ

放置子とよばれる子どもは、自由に振る舞いすぎたりマナーを知らなかったりすることが多々あります。相手をすると困らされることが少なくありませんが、ほとんどの子どもは家庭環境や親の事情から放置されていることが多いようです。

同じ子どもを持つ親としては「かわいそう」と相手をしたくなりますが、個人でできることには限界があります。放置子があまりにもたびたびやってきたり自由奔放な振る舞いをしたりして困る場合は、周囲と連携して対策を考えましょう。

また、放置子の様子におかしいと感じることがあれば、公的機関への通報も必要です。「大げさかな?」などとためらわず、早急に連絡することをおすすめします。