夫婦円満とは
夫婦は「円満がよい」などといわれます。夫婦円満の秘訣が書かれた本を読んだり、神社などに赴いて夫婦円満を祈願したりする人も少なくありません。
そもそも、夫婦円満とはどのような状態を指すのでしょうか。すでにパートナーがいる人は、2人の今の状況を振り返って考えてみましょう。
お互いが満ち足りた状態のこと
物事の様子などについて「円満」というときは、調和が取れていて不足がない状態を指します。つまり「夫婦円満」とは、夫婦関係が満ち足りていて、穏やかな状態を表します。
夫婦とはいえ、元々は他人同士です。生活をともにするうちに、相手のイヤな部分が目に付いたり、納得できなかったりすることもあるでしょう。夫婦円満は、こうした日々のあれこれを乗り越えた先にあります。
「お互いを尊重し合い思いやりに満ちている」「小さな変化を受け入れながらお互いが心地よく過ごせている」という状態なら、夫婦円満といってよいでしょう。
夫と妻はどんな不満を抱えてる?
「最近口論が増えた」「空気がギスギスしている」などと感じる夫婦は、お互いに相手への不満をため込みすぎているのかもしれません。夫婦円満をめざすなら、小さなことも見逃さずに解決していく必要があります。
夫婦として生活していると、相手のどのような部分に不満を感じやすいのでしょうか。夫と妻、それぞれのケースを具体的に紹介します。
夫の言い分
夫が妻に抱きやすい不満として、以下のようなものがあります。
・愚痴が多い
・相手の都合を考えない
まず多いのが、「妻の愚痴にうんざり」という意見です。
妻は夫の共感を求めて、仕事や人間関係の愚痴をこぼします。しかし、これに同調できる夫は少ないようです。「愚痴を言われてもどうにもできない」「愚痴は根本的な解決にならない」などと感じて、夫は妻の話を聞くのがストレスになってしまいます。
また、自分のタイミングだけで動く妻に不満を持つ夫も少なくありません。
例えば、夫が疲れていたりほかのことをしていたりするのに、妻が手伝いを強要するケースです。自分の都合だけを押しつけてくる妻に対し、夫は「こちらの状況も考えてほしい」とイラッとしてしまいます。
妻の言い分
一方、多くの妻は次のような不満を夫に抱いています。
・家事を妻任せにする
・子育てに非協力的
夫のなかには「家事は妻がするもの」と思い込んでいる人もいます。なかには家事をしないどころか、妻の家事のやり方に文句を付けてくる人さえいるでしょう。
自分ばかりが忙しく、夫はただダラダラしているだけ…、このような状況になれば、妻としてよい気分ではありません。「なぜ自分ばかり」と不満を感じてしまいます。
子育てに関しても同様です。子どもを妻任せにして「我関せず」を貫く夫もいます。泣いている子どもを無視してスマホを見る夫や、休日でも子どもを置いて出かけていく夫に対して、妻は不満を抱かずにはいられないでしょう。
夫婦円満になるための秘訣
愛し合って結婚した2人でも、好きな気持ちだけでは良好な関係は保てません。夫婦円満に過ごすためには、妻も夫もそれなりの努力や気遣いをする必要があるでしょう。夫婦円満を保つうえで、双方が取り組みたいことを紹介します。
相手を思いやる心を持つ
長く一緒に暮らすなら、相手を思いやる気持ちは必須です。自分本位な言動は避け、相手の立場や気持ちになって行動しましょう。
パートナーからの思いやりを日常的に感じられれば「愛されている」という実感を得やすくなります。「自分は相手に何をしてあげられるだろう」と考えるきっかけになり、夫婦の言葉や行動はより相手の気持ちに寄り添ったものとなるはずです。
夫婦が常に相手に対し優しい気持ちを持ち続けられれば、ケンカや口論とは無縁でいられます。
会話する時間を増やす
相手への不信は、相手の気持ちや考えを理解できないことから始まります。夫婦円満に過ごすには、お互いが思っていることを口に出し、相手に伝えることが大切です。
「会話はそれなりにしているけれど、夫婦円満とはいえない」という夫婦は、会話の内容が義務的なものになってはいませんか?
子どものことや家計のことを話し合うのは、ある意味当然です。夫婦としての関係を良好に保つなら「話さなければいけないこと」ではなく、「夫婦で共有したいこと」をたくさん口に出しましょう。
例えば、日常の出来事や興味のあること、面白かったTVなど、何でもよいのです。お互いの気持ちや体験をシェアし合うことで、夫婦としての連帯感や共感が生まれます。
適度な距離を保つ
長い人生をともにしていくのですから、夫婦は付かず離れずの距離を保ち、細かいことに干渉しないのがベターです。仲良く2人で過ごす時間も大切ですが、個々の時間も尊重しましょう。
パートナーとの距離が近いほど、相手のイヤな部分が見えやすくなります。「ここがイヤ」「あそこが嫌い」と粗探しをするよりは、お互いに距離を取ってよい部分だけを見た方が建設的です。
また、パートナーの行動を束縛したり監視したりすることは、信頼関係の破たんにつながります。いちいち「パートナーが何をしているのか」「どこにいるのか」とピリピリせずに済むよう、相手に依存しすぎない関係を築きましょう。
積極的にスキンシップをとる
スキンシップは、親しい間柄だからこそ可能なコミュニケーション方法です。積極的にスキンシップを取れば、言葉にしなくても信頼や愛情が伝わりやすくなります。パートナーとの関係性がよくなり、夫婦の絆も自然に深まっていくでしょう。
とはいえ、これまでほとんどスキンシップを取らなかった夫婦が「スキンシップを増やそう」と決めても、気恥ずかしさが先立つかもしれません。
このような場合は「相手の腕に触れる」「手を添える」など、比較的ハードルの低いスキンシップから始めてみることをおすすめします。
感謝の言葉を忘れない
「ありがとう」は人間関係を円満に保つうえで、とても重要な言葉です。せっかく何かしてあげても、相手が無反応だと残念な気持ちになります。笑顔で感謝の言葉を伝えれば、言われた方は「うれしい」「もっとしてあげよう」と思うものです。
夫婦として一緒にいる時間が長いほど、つい「言わなくてもわかってもらえるだろう」などと考えてしまいます。しかし、どんなに仲がよい夫婦でも、黙ったままで伝わる思いはありません。
パートナーの気持ちや行動をありがたいと感じたら、実際に感謝の気持ちを言葉で伝えましょう。
風水の力で円満度をアップ
「夫婦円満につながるあらゆることを試したい」という人は、家庭に風水を取り入れてみるのもおすすめです。
風水とは、古代中国で生まれた環境学の一種です。実践するときは住環境を少し見直してみるだけなので、さほど難しくありません。「運気のよい家で、夫婦仲よく過ごしたいな」くらいの、軽い気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。
玄関に暖色系のマットを置く
風水では、玄関マットを「悪い運気を払い落とす」と考えます。言わば運気のフィルターのようなものなので、ぜひ玄関に設置しましょう。
家庭の運気をアップして夫婦円満を保つなら、玄関マットは天然素材のものがおすすめです。色は暖色系を選ぶと、負の感情を吸い取ってくれるとされています。夫婦円満をめざすなら、赤やピンクの玄関マットがおすすめです。
ただし、どのような玄関マットにしても、洗いにくいものは好ましくありません。汚れた玄関マットには悪い気がたまりやすいため、小まめに洗う必要があるのです。
お風呂場はいつも清潔に保つ
風水では、水気の多いお風呂は陰の気をためやすいとされる場所です。
特に、次のようなお風呂場は夫婦関係に亀裂が入りやすいといわれています。心当たりのある人は、早急な対策を取りましょう。
・浴槽に残り湯をためている
・掃除道具を置きっぱなし
・水垢で鏡が汚れている
お風呂を汚れたままで放置すると、運気が停滞して夫婦関係にも悪影響を及ぼすかもしれません。掃除や換気を適切に行い、お風呂の清潔を保ちましょう。
リビングには葉先の丸い観葉植物
家庭内の運気アップにぜひ取り入れたいのが、観葉植物です。風水では、観葉植物は「悪い気を吸い取ってくれる」「生活を安定させる」と考えられています。家族が長い時間を過ごすリビングに置けば、家庭運の上昇を期待できます。
特に望ましいとされる観葉植物は、葉が大きく葉先の丸いものです。例えば、ポトスやモンステラなどを陶器の鉢に入れて、敷物の上に置くとよいでしょう。
なお、より夫婦円満を望むなら、観葉植物は南西の方向に置きます。南西は、夫婦仲を良好に保ってくれるといわれる方角です。
夫婦円満のご利益がある神社
たくさんの神様がいる日本では、神社によって様々なご利益があります。夫婦円満を願うカップルは、夫婦仲を良くしてくれたり深めたりしてくれる神社に足を運んでみてはいかがでしょうか。
「夫婦円満をお祈りするならここ」といわれる、3つの神社を紹介します。
京都の貴船神社
貴船神社は、京都の奥座敷といわれる「貴船」に鎮座する古社です。
広く縁結びにご利益があるとして知られていますが、夫婦円満を願って訪れる人も少なくありません。というのも、平安時代の女流詩人・和泉式部は、この神社にお参りをして夫との復縁に成功したという逸話が残っているためです。
また、貴船神社には水神「たかおかみのかみ」のほか、磐長姫命(いわながひめのみこと)という女神も祀られています。この女神は、岩のようにしっかりした基盤を築くご利益を授けてくれるといわれている神様です。
家庭の安泰と夫婦円満をお祈りするには、ぴったりといえるでしょう。
東京の日枝神社
日枝神社は「山王さん」の愛称で親しまれる神社です。徳川将軍家の産土神(うぶがみ)として知られ、御祭神には山の神である大山咋神(おおやまくいのかみ)が祀られています。
主神が山の神であることから、神社では狛犬ではなく山の守り神と呼ばれる猿が祀られています。この神猿が、夫婦円満をもたらしてくれるといわれるのです。
猿は家庭をとても大切にする動物です。そのため、社殿前に置かれている夫婦一対の神猿像にお参りすると、夫婦円満のご利益があるのだとか。神社では猿のお守りなども売られているため、夫婦で身に着けるとよいかもしれません。
奈良県の春日大社
世界遺産に登録されている奈良の春日大社は、武甕槌命(たけみかづちのみこと)を始めとする4柱を祀る神社です。
敷地内には摂社・末社を併せて62もの社がありますが、夫婦で足を運びたいのは、「若宮十五社」のひとつ「夫婦大国社(めおとだいこくしゃ)」です。
こちらでは全国で唯一、大国主命(おおくにぬしのみこと)とその妻である須勢理姫命(すせりひめのみこと)が夫婦で祀られています。このことから夫婦大黒社は「夫婦円満」「夫婦和合」のご利益があるといわれるようになりました。
夫婦大黒社では、絵馬の代わりにしゃもじを奉納する習わしがあるそうです。参拝に訪れた際は、夫婦で奉納してみてはいかがでしょうか。
まとめ
夫婦円満に過ごすためには、相手への思いやりと感謝の気持ちを忘れないことが大切です。自分本位の考えはやめ、2人で楽しく過ごせる方法を考えましょう。
また、夫婦仲を良好に保つにはスキンシップも大切です。日々のちょっとした触れ合いで、愛情や優しい気持ちを伝えられます。
より本気で「夫婦円満をめざしたい」という人は、風水の活用や夫婦円満にご利益のある神社に参拝することもおすすめです。せっかく夫婦として結ばれたのですから、楽しく穏やかな気持ちで夫婦の時間を楽しみましょう。