育児に悩むお母さん、共通点は体がボロボロ

第1回 2人目こそ助産院で…見直される助産院のメリット
無事出産したはいいが、思い通りにいかない…。育児に悩む新米ママも少なくないのでは? ラーメンやカレー、パスタ、パンにうどんと、香辛料や小麦粉メニューが大好きなママが増え、最近では、せっかく出たおっぱいを受けつけず、ギャー泣きする赤ちゃんも多いとか。「松が丘助産院」院長・宗祥子氏は、「理想の育児は、お母さんの体内から生まれる」と熱く訴える。

●子育ては罰ゲームじゃない

「まず、今の妊婦さん、お母さんたちの7、8割は便秘です。その他にも、めまいや頭痛を薬でだましながら毎日をやり過ごし、自分の体を過信し過ぎて、こちらの言うことを聞かないお母さん方も実に多い。不調が出たらすぐ薬…医療に頼りすぎなんですね。助産院で自然の力でお産する場合、まずは人間本来の身体感覚を取り戻してもらうことから始めます。お母さんが自分の体と向き合って、生活改善や食事で見直していくことが、結果的に、後の育児を成功につなげるのです」(宗氏 以下同)

産後の母体を回復に導くためには、体を温めることや健康的な食事が欠かせないという。

「うちの助産院では、酵素玄米と野菜を中心に、油や砂糖、みりんを使わない食事を提供しています。小麦粉や砂糖、油の多い食事をばかり食べているお母さんの母乳はべとべとに脂ぎっているんですよ。そんな母乳を、生まれたばかりの赤ちゃんが“おいしい!”と言って飲むわけがありませんよね。赤ちゃんが飲みやすいさらりとした母乳は、お母さんが食べる食事から作られることは、考えればわかると思うのですが…」

玄米&野菜中心の食事

油っぽい食事をやめ、5~6日ほど酵素玄米や野菜を中心とした食事に切り替えると、すぐに普通の母乳が出るようになるそう。

「尿が出にくくなっていたり、経絡が詰まっていたり…今は大変な体のまま出産し、ボロボロな体で育児の困難にぶつかるお母さんたちが多いですね。体は不調、おっぱいは出ない、出ても赤ちゃんが飲まずにギャーギャー泣く、眠れない日が続く…そんな生活が長く続けば、お母さんたちの精神が壊れるのもいたしかたがないことと言えます。だからこそ、食事が何よりも大切であることを知って頂きたい」

「子育ては罰ゲームじゃないんです」と語る宗氏。もしも育児に自信を失くしたら…食生活から改めることも一手なのかもしれない。
(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

宗祥子
宗祥子
松が丘助産院・院長
1952年愛媛県生まれ。中央大学法学部卒業。第1子を31歳で出産し、出産のダイナミックさに圧倒され、助産婦のケアに感動。36歳で助産師を目指し、助産師資格を取得。矢島助産院、育良クリニックで研修し、「松が丘助産院」を開院。現在に至る。撮影/武井メグミ
1952年愛媛県生まれ。中央大学法学部卒業。第1子を31歳で出産し、出産のダイナミックさに圧倒され、助産婦のケアに感動。36歳で助産師を目指し、助産師資格を取得。矢島助産院、育良クリニックで研修し、「松が丘助産院」を開院。現在に至る。撮影/武井メグミ