●嫌いになる原因は「本能」「初」「トラウマ」の3つ
子どもが好き嫌いをする原因は、3つに大別することができます。1つめは「本能」。人の体は、苦い物や酸っぱい物は、毒や腐敗していると本能的に判断して、拒絶するようになっていると言われています。大人になれば、味覚が発達し旨味がわかりますが、子どもは体の防衛本能が優先されるようです。
2つめは「初めてのもの」。子どもの目線では、初めて見る食べたことがない食材は、安心して食べられるものか判断できません。そのため、食べることができず、食わず嫌いになってしまうことも。
3つめは「過去のトラウマ」。例えば、「カキを食べてお腹を壊して以来、カキが食べられなくなった」のように、過去に腹痛や下痢、嘔吐など、食べた後に苦痛を受けてしまうと、それらがトラウマとなり食べられなくなることもあるそうです。
●叱って無理やり食べさせるのは逆効果!?
子どもの好き嫌いをなくすために、嫌いなものを残さず食べるように叱ることがあるかもしれません。しかし叱ってしまうと、子どもには怒られた記憶が残り、余計に食べられなくなることがあります。好き嫌いをなくすためには、“食事は楽しい”と認識することが重要です。
子どもが苦手な食材を使う場合は、炒めて触感を変えたり、ケチャップで味付けを変えたり、見た目を星型にしたり。子どもが楽しくなるように工夫してみましょう。また、ひと口でも食べたら、大げさにほめてあげることも大切です。ある程度の年齢のお子さんなら、一緒に買い物や料理をして、食事に興味を持たせることも効果的と言われています。ちなみに、子どもの胃腸はまだまだ成長途中です。食材は食べやすい大きさにカットしたり、消化しやすいように調理したり、食後に体調を崩さないように気をつけることも忘れずに。
子どもの健康面を考えると、少しでも好き嫌いを克服したいところ。まずは、家族そろって、おいしく楽しく食事をすることで、食事に対して良いイメージを持てるようにしてみましょう!
(文・奈古善晴/考務店)