●早めの行動が症状の重度化を阻止する
心の問題を早期に解決するには、親の協力が欠かせないもの。では、どのようなことに気をつけておくべきなのでしょうか。
「まずは、子どもの気になる行動や訴えには、親はしっかり向き合ってあげることが大事です。心理的な問題で身体に不調をきたしている場合、内科や小児科に行っても、どこも悪くないと言われるので、仮病を疑いがちだったりします。疑う前にしっかり観察をして、やはり様子がおかしいと思ったら児童精神科医などを頼ることも必要です。対応が遅くなればなるほど、治るのにも時間が掛かってしまいます」(皆川院長、以下同)
●子どもが伝えたいことを探るコミュニケーションを始める
とくに小さな子どもは言葉で詳細を表現することは難しく、ただ面と向かって質問するだけではNG。たとえば、ご飯と食べているときにさりげなく話を引き出す、お風呂の時間にスキンシップしつつ会話することなどで、少しずつ子どもの気持ちや状況が理解できてくるはずと、皆川院長は言います。
「小学校高学年や中学生になってくると、自分ではっきり意思表示することができますが、小さい子どもは言葉のバリエーションが少ないんですよね。だからといって親も言えないから仕方ないと諦めるのではなくて、子どもの声にならない声を言葉に置き換えてあげるのが大事。『誰かに嫌なこと言われたのかな?』とか『泣きそうになっちゃった?』とか、積極的にアプローチすることが大事だと思います」
専門的な児童精神科医がいる病院はもちろん、スクールカウンセラーや教育センター、保健所にも相談窓口があるので、異変を感じたらまずはそうしたところを頼るのも大事なこと。初期の段階で適切な処置をすれば、症状の改善も早いといいます。まずはしっかりと我が子を観察することが大事かもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)