●子どものリズムを乱す生活が心身のバランスを崩す
心に問題を抱える子どもの多くは“忙しすぎる日常”を過ごしているのだとか。
「これは問診票などから多くのお子さんに共通してみられることですが、習い事などで忙しく心身ともに疲れてしまっているんですね。もちろん本人の希望で色々チャレンジしてみたいということもあるかもしれませんが、小さい子どもにも個性や得意、不得意があります。そうした部分を親が把握せずに、塾やお稽古事を詰め込んでしまうんです」(皆川院長、以下同)
毎日がバタバタと過ぎていってしまい、のんびりする時間を持てないことで子どもがストレスを発散できるひとときが失われがちなのだそう。
「お母さんに『今日こんなことがあったよ』といったような、些細な話をすることはもちろん、緊張から解放される暇があまりないんですね。実際に、習い事などから帰ってきてご飯を食べて寝るまでの時間が3時間足らずしかないという子どもも割といます。これでは子どもの心が追い詰められてしまいます」
●子どもがリラックスできる時間を作る
ほっとする暇がない子どもは寝つきも悪かったりすることから、体調も悪くなりがちだそう。
「忙し過ぎると脳が1日中興奮し続けてしまうので、睡眠が浅くなってしまうんです。それにともなって内臓も休まりません。身体がだるくなったり、消化が良くなかったりするんですね。大人だったらその辺りの体調は自分でコントロールできるようになるのですが、子どもはある程度は親が管理したうえで、意識的にリラックスできる時間を作ってあげることが大事ですね」
幼少期の教育はもちろん大事。ただ、子どもが追い込まれていないかどうか、リラックスできる時間を持てているかどうか、しっかり見極めながら家庭内で生活をコントロールしてあげることが重要だといえるでしょう。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)