「産後の物忘れ」を防ぐコツ

第3回 ママになると、物忘れが増えるってホント?
産後の物忘れで多いのは、どういったもの? 物忘れしがちな内容の傾向を子育て中のママたちに聞いた。

「携帯の置き場所をちょくちょく忘れる」(30代ママ)
「子どもの学校関係の書類の提出日」(30代ママ)
「挨拶してくれる相手の名前や、自分との関係性がすぐ思い出せず、適当にあわせてしまうことが多々ある」(30代ママ)
「友だちの子の年齢や名前。特に2番目からは全然覚えられず、相手が覚えていてくれて驚く」(40代ママ)

「子育て中は、育児に集中するため、どうしてもほかのことを忘れがちだということはあると思います。忘れてしまうものは、おそらく自分にとって無意識に優先順位の低いものだと思いますよ」

こう話すのは、日本医科大学名誉教授で、東京医療学院大学長の佐久間康夫先生。

とはいえ、ちょくちょく物忘れをするのは困ることもある。防ぐにはどうしたら?

「物忘れをちょくちょくするのは、お母さんが育児をひとりで背負い、コミュニケーションがなくなって孤立してしまっている、あるいは、体力的・精神的にいっぱいいっぱいになっている可能性があります」(佐久間先生 以下同)

男女が手をつなぐ様子

●物忘れを防ぐには、夫婦間のスキンシップも大切

そもそも子どもを産み、育てるというのは女性にとって大変な変化だ。自分の思うようにいかないこともあり、ストレスがたまることもある。

「人はストレス状況に置かれていと血中コルチゾールが増加しますが、オキシトシンは、体内のコルチゾールを減らしたり、血圧を下げたりすることがわかっています」

オキシトシンは「愛情ホルモン」といわれ、夫婦間、親子間などのスキンシップで分泌される。つまり、「きちんとした夫婦関係をつくること」が、育児中のストレスや物忘れを防ぐひとつのコツでもあると佐久間先生はいう。

「物忘れがひどいと悩んだら、まずはダンナさんに相談し、育児に参加してもらいましょう。ちょっとハグしあう、『ヨシヨシ』と疲れをいたわってもらえるだけでも、社会的ストレス→うつ→物忘れの悪循環を断ち切れるかもしれません」

ちなみに、多数の人物の写真を部屋に置いておき、そのなかに意図的に特定の人物の写真を多くしておくと、「誰が好みか」という問いに対し、多く写っている人を選ぶという実験結果があるそう。

「つまり、ずっと顔を見ていると、愛情がわいてくるのです。疲れや物忘れに悩むママは、部屋のなかにご主人や赤ちゃん、家族みんなの写真をたくさん置いて毎日眺めるのも良いですよ」

物忘れを防ぐためには、まずは家族間の絆の見直しと、愛情の再確認をしてみよう。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

佐久間康夫先生
佐久間康夫先生
東京医療学院大学長/日本医科大学名誉教授
生理学者。生殖内分泌学・神経内分泌学・行動生理学。性ホルモンの中枢作用・脳の性差・性行動が専門。研究テーマは、性ホルモンの中枢作用、性行動の調節機構など。
生理学者。生殖内分泌学・神経内分泌学・行動生理学。性ホルモンの中枢作用・脳の性差・性行動が専門。研究テーマは、性ホルモンの中枢作用、性行動の調節機構など。
『内分泌生理学講義』
丸善
5,184円
新たに発見されたホルモンやその標的である受容体など、現行の生理学の教科書ではカバーしきれない新しい話題に焦点をあてた、医学・生物学全般の教科書。
新たに発見されたホルモンやその標的である受容体など、現行の生理学の教科書ではカバーしきれない新しい話題に焦点をあてた、医学・生物学全般の教科書。

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