●4000円以上の予防接種も、価格高騰の原因は?
これまで、インフルエンザの予防接種はA型2種類とB型1種類の3種類に対応したワクチンが接種されていたそうです。しかし、インフルエンザが流行する12月から2月にかけて、初期と後期で流行するB型ウィルスの種類が変わることが多かったため、2015年秋からは、さらにB型を1種類追加した、4種類のウィルスに対応したワクチンに変更されました。その結果、ワクチンが500~1000円ほど値上がりすることに…。
●さらに追い打ちをかける、ワクチンの供給不足!
ワクチンの値上げだけでも予防接種が大変になるのに、ワクチンの数自体も今年は不足しているそうです。その理由は、ワクチン製造の大手である『化血研』がワクチンを出荷できていないためだとか。『化血研』によると、同社の別の薬品が国が定めた製造方法とは異なる方法で製造されていたため、出荷停止となり、その他の製品も同様の問題がないか確認が終わるまでは出荷ができないそうです。これにより、同社が担当する予定だった1700万人分のワクチンが、未だに出荷される目処が立たないと言われています。
●今年はワクチン接種者が減少するため大流行の可能性も!
ワクチンの値上げのため、予防接種を受ける人が減り、今年はインフルエンザが大流行する危険性が叫ばれています。そして流行が本格化する12月以降は、このままワクチン不足が続けば予防接種を受けたくても受けられない可能性も…。インフルエンザに対する最も有効な予防手段はワクチン接種であると、WHO(世界保健機関)も呼びかけています。特にインフルエンザが重症化する恐れのある高齢者や妊婦中の人などは、予防接種はなるべく早めに受けておいた方がいいかもしれません。
(文・姉崎マリオ/考務店)
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