1年中手に入りやすく、低カロリーのイメージがあるキャベツ。実際のカロリーや糖質の量はどの程度なのでしょうか?また、キャベツを調理した場合のカロリーの変化も気になりますよね。この記事では、キャベツのカロリーや糖質の量、キャベツ料理のカロリーなどについて、管理栄養士が詳しく解説します。
キャベツのカロリー(エネルギー)・糖質の量は?
キャベツのカロリー(エネルギー)と糖質の量は以下の通りです(※)。
キャベツ100gあたりのカロリーは21kcal、糖質は3.4gです。
キャベツ1/4玉300gの可食部は255gとなり、カロリーは54kcal、糖質は8.7gです。キャベツの廃棄率は15%なので、300gの場合は可食部が255gとなる計算です。
キャベツは全体の93%が水分であるため、ほかの野菜に比べるとカロリーが低いものに分類されます。
一方、同じ葉物野菜であるレタス(11kcal/100g)や白菜(13kcal/100g)に比べると若干カロリーが高いのは、キャベツの方が糖質の量がわずかに多いからです。
キャベツよりカロリーが高い野菜には、にんじん(30kcal/100g)やかぼちゃ(78kcal/100g)などがあります。
キャベツは茹でるとカロリーが減る?
日本食品標準成分表によると、茹でたキャベツ100gあたりのカロリーは19kcalで、生の場合に比べると2kcalほど低くなります。これは茹でたことでカロリーが減るのではなく、水分量などが変化することによるものです。
生のキャベツを茹でたからといってカロリーが減るワケではありません。またカロリーの差も2kcalとわずかなものです。生でも茹ででも、好みに応じていただきましょう。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
キャベツに含まれる栄養
キャベツに含まれる栄養素と期待される効果を解説します。
整腸作用やダイエットに欠かせない【食物繊維】
食物繊維には腸内環境を整える働きや、糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれる働きがあります。キャベツ100gには1.8gの食物繊維が含まれ、これは白菜の1.4倍、レタスの1.6倍の量です。
食物繊維は腸内で善玉菌のエサになり、善玉菌が住みやすい環境を整えてくれます。腸内で善玉菌として働く乳酸菌を含む、ヨーグルト、チーズ、味噌、納豆などの発酵食品を合わせてとると効果的です。朝食の味噌汁にキャベツなどの食物繊維が摂れる野菜を入れ、納豆やヨーグルトを組み合わせると理想的な組み合わせになります。
また食物繊維の糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれる働きは、食事のはじめに食べると効果的といわれています。キャベツを使った料理は一番にいただくといいでしょう。
美肌作りに欠かせない【ビタミンC】
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせないだけでなく、老化の一因となる活性酸素を取り除く働きもあります。
ビタミンCはキャベツ100g中、41mg含まれています。これは白菜の2.2倍、レタスの8.2倍の量で、フルーツにも匹敵する量です。
ビタミンCは水に溶け出やすく、熱に弱い性質を持っているため、ビタミンCを無駄なく摂るなら生で食べるのがおすすめです。また切ったあとに水にさらすと、切り口からビタミンCが流れ出てしまうため、水にさらす場合は短時間にしておきましょう。
胃の健康を守る【ビタミンU(キャベジン)】
キャベツに含まれるビタミンUは、傷ついた胃粘膜の修復を助ける働きがあり、胃腸薬の成分に用いられることもあります。
ビタミンUは別名キャベジンとも呼ばれ、これはビタミンUがキャベツから発見されたことに由来されるといわれています。
キャベツは生より加熱して食べる方が消化にはやさしいのですが、加熱するとビタミンUが溶け出てしまう場合があります。そのときはスープにすることで、煮汁に溶けだした栄養素を摂ることができますよ。
※参照:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版),文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)
配信: トクバイニュース