「物が捨てられない人というのは、過去や未来にとらわれてしまい、現在に生きることができていない人なんです。思い出や懐かしさに執着して捨てられない、逆に“いつか使うかもしれない”と、わからない未来にとらわれて物を捨てられない…。その悪循環こそが、どんどん物を増やし、収集がつかなくなっていく原因なのです」
そう話すのは、子育て本作家の立石美津子さん。“現在を生きる”ということは、どういうことなのでしょうか?
「物を持っていることには理由がありますね。可愛いから、便利だから、懐かしいから、いつか使うかもしれないから…など。でも、その感覚だけで物の要る・要らないを判断していたら、物は無限に増えていくばかりです。そのときに確実に判断できるのが、“今の自分にとって必要なのか? 価値があるか? ということなんです」
例えば、いつか使うかも…と、以下の物をとっておいていませんか?
・予備のボタン・端切れ
・ほとんど使わないポイントカード
・景品
・紙袋、ひも
・使わない調味料・キッチン用品
・子どもの作った作品 など
「これらも、いつか役立つかも、使うかもととっておいても、ほとんど使うことないですよね? お子さんの作品も懐かしいと思うだけで、段ボールのなかで眠っていて見返すこともあまりないですね? 洋服、食器などもそうです。例え可愛くても、便利でも、いつか使えそうでも、懐かしくても今の自分にとって使う出番がないもの、価値のない物は必要ないのです。特別な思い入れのある物以外はいさぎよく捨てましょう!」
新たに物を購入するときも同じだという。
「可愛い~、便利そう~、と思って買っても、今の自分の家には合わないデザインだったり、一般的には便利だけど、自分のライフスタイルのなかでまったく使わなかったら要りませんよね?例えば和風の家なのに洋風の額縁の絵を見て「綺麗だから」と買ってしまったり・・・料理を凝らないのにキッチン道具を買い揃えたり・・・。
物だとわかりづらい場合は動物に置き換えてみてください。ペットショップで犬や猫を見て可愛いからといって、すぐ飼いますか? お世話できる環境、時間の余裕、餌代の余裕…今の自分の状況を考えて判断しますよね? 衝動飼いしてしまって世話ができなくなったら、動物は大変な目にあうことになります。物も同じです。物を捨てるとき、買うときは常に“現在の自分軸”でよく考える習慣をつけてみてください」
過去や未来考えるあまり、現在の生活が窮屈では本末転倒。“今を大事にすることこそが、素敵な未来につながります”と、立石さんからもメッセージが。ぜひ、今日から実践してみてください!
(構成・文/横田裕美子)