人は1日に平均10分探し物。整理整頓のコツを伝授します!

第2回 年末大掃除前に片付け・整理整頓大作戦!
今年もあとわずか…。新しい年を迎えるにあたって、少しずつ片づけ、整理整頓していきたいもの。でも、子育てで忙しくてなかなか…、仕事で忙しくてなかなか…と、あとまわしになりがち。実はその考え自体が違っているという。


「忙しいから片づける時間がないのではなく、片づけないから時間がなくなってしまうんです」

そう話すのは、子育て本作家の立石美津子さん。その真意とは?

「そもそも片づけ、整理整頓はなぜ大切なのでしょうか? スッキリしていると気持ちがいいから、風通しがよくなり健康にもいいから。もちろん、いろいろな理由がありますが、実は時間との関係が大きいのです。人は一日のなかで平均10分は探し物をしていると言われています。これを換算すると、1カ月で5時間、1年で3日、85歳まで生きるとしたら255日。一年間寿命を無駄にしている計算です。ちょっと驚きますね。つまり、整理整頓しない人ほどこの探し物の時間がどんどん増えてしまうので時間が足りなくなり、忙しくなってしまうのです」(立石さん 以下同)

整理整頓を上手にすればするほど、探し物に費やすムダな時間が減り、その分、趣味に使う時間、くつろぐ時間、人に会う時間などができる。そう思ったら、モチベーションもがぜん上がりますよね?
そこで知りたいのが、整理整頓のコツ。

整理整頓

●すべての物に指定席を作る。

整理整頓でもっとも大事なことは、すべての物の収納場所=指定席を作ることだという。

「指定席がきちんと決まっていれば、見つけるのに時間はかかりませんね。例えば、デスクトップのアイコンを思い出してください。フォルダごとにカテゴリー別に整理してあれば、すぐに見つけられて時間のロスもありませんが、画面一面にアイコンが埋め尽くす状態では、見つけるのに数分かかってしまうことも。これで仕事の取り掛かりが遅くなります。
つまり、これが家にあるすべての物にも言えるのです。指定席が決まっていない物は、どこに置いたかわからなくなり探し出すのに時間もかかりますし、戻してやる行き場もないので部屋が散らかるもとにもなってしまいます」

指定席は、細かく決めるほど効果的だそう。

「例えば書類や薬など、ひとつの引き出しにすべてを入れても、そこからさらに探し出すのに時間がかかってしまいます。つまり、用途や人別にカテゴリーを細かく分けて指定席を作ることは、さらなる時短につながります」

●自分の導線に合った収納を考える

そして、さらに整理整頓で重要なのが、自分の導線を考えることだそう。

「収納場所というのは、つい既成概念で決めてしまいがちですが、一番大事なことは自分の日々の導線に叶った場所かということです。例えば、毎日のメイクをリビングでする人は、洗面台にメイク道具を収納すれば、取りに行く時間のロスが発生します。だったらリビングの引出ししまったほうがいいですね。はさみはこの引き出しと決めて、5~6本のはさみを一カ所に置いても、いちいち使うたびに引き出しからとり出さなければなりません。だったら、普段使う導線を考えてその場所に分けて置いておけばいいのです」

また、一緒に使うモノは、最初からセットで収納すればいいという。

「缶詰と缶切りは一緒に置けばいいですし、ゴミ袋は引出しではなく、ゴミ箱の底にストックすれば、ゴミを捨てると同時に新しいゴミ袋を設置できます。このような工夫の積み重ねが、多くの時間をもたらしてくれます。その喜びを実感すると、考えて整理整頓することが楽しくなってきますし、それが習慣になりますよ!」

一日は24時間しかありません。その時間をどう有効活用できるかはその人次第。ぜひ、これを機に家の整理整頓を見直してみてください!
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

立石美津子
立石美津子
子育て本作家・講演家
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。