なかでも、乳がんは女性がかかりやすい最多のがんといわれている。また、子宮頸がんは20~30代でもかかる人が増え、低年齢化しているとも。
でも、名前は知っていても、自分が患うまではどこか他人事のように考えていたり、具体的にどんな病気なのか正しく知らなかったりする人もいるのでは?
そこで、「子宮頸がん」「乳がん」の原因や予兆などについて、「こころとからだの元氣プラザ」理事・副所長の大村峯夫先生に聞いた。
「『乳がん』とは、乳房の乳腺という器官に悪性の腫瘍ができることをいいます。症状の特徴は、しこり、乳頭からの血の混じった分泌物、乳首の陥没、皮膚のくぼみなどですが、初期症状で痛みはほとんどないため、気づいたときには進行してしまっているケースが多いです」(大村先生 以下同)
原因ははっきりとわかっておらず、エストロゲンという女性ホルモンが関与しているといわれるほか、高カロリー・高脂肪の食生活との関係も考えられているそう。
●ウイルス感染が原因でも子宮頸がんになる・ならないの違い
一方、子宮がんは子宮の入り口部分にできる「子宮頸がん」と奥にできる「子宮体がん」に大別され、一般的な子宮がん検診で行われているのは、子宮頸がんのみだそう。
「子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染によって発症するがんで、がんが発症する前の段階の『前がん状態』がかなり長いのが特徴です。HPVはセックスによって感染する雑菌で、セックスをしたことがある人なら、1回は感染したことがありますが、90%は自然消失しているのです」
性体験のある人ならほとんど誰でも感染しているというのは驚きだが、がんになる人・ならない人の違いとは?
「ウイルスが長く居続けるかどうかが、大きなポイントです。ウイルスが長く居続けると悪さをし、がん化します。しかし、ウイルスも100種類以上あり、ほとんどが無害で、 そのうち13タイプががんに関係あるといわれています」
「乳がん」「子宮頸がん」は、女性がかかりやすいがんではあるものの、がんによる死亡数を見ると、1位が大腸がん、2位が肺がん、3位が胃がんで、死亡数はさほど多くない。
また、どちらも初期症状はないが、検診により早期発見が可能であるため、検診を受けることが重要なのだ。
(田幸和歌子+ノオト)