「要介護になりえる原因の風邪や病気、けがを防止する方法はシンプルで、健康的な生活をすることです。規則正しく生活をし、栄養のあるものをちゃんと食べ、ボケにくい生活をするということです。認知症にならない秘けつは、定期的に人と会うことを心がけ、絵を描くなどの頭を使う趣味を持つのがオススメです」(横井さん 以下同)
●要介護にする原因として考えられる病気とは?
厚労省が発表した内容によると、要介護状態になる理由として多い病気に、脳血管疾患や認知症、高齢による衰弱などがある。
「たとえば、深酒をするとか大量の煙草を吸う習慣は、体への負担が大きく、介護生活になる時機が早まることが考えられます。甘いものが好きで糖尿病を発症し、それがきっかけになることもあります」
また、高齢になった親の事故を予防するために、住まいの安全性も早めに見直しておきたい。
「お年寄りの亡くなる場所で多いのは、病院の次が自宅です。家でもっとも事故が起きやすいのはお風呂。段差がある場所をなくしたり、入浴時に滑りにくくしたりするなど、安心安全な家にリフォームしておくといいでしょう」
では、親が要介護になってしまった場合、きっかけになった病気によって、介助の形は違うのだろうか?
「当然違います。大きく分かれるのは、認知症があるかないかです。体が弱っても頭がちゃんとしている人は、介助者の言うことが理解できます。『ご飯を食べよう?』『うん』となりますね。高レベルの認知症があって会話が分からないなら、どうやって食事を食べさせるかなどを考えないといけません」
●自立した老後を送れるように健康的な生活を勧めよう
横井さんによると、介護問題を解決する最大の方法は、健康寿命を延ばすことだそうだ。健康寿命は、病気やけがなど、なんらかの事情で周辺からサポート、介護が必要になる年齢。健康寿命をのばせれば、介護期間は大幅に短くなる。
「できるだけ長い間、親には元気に自分らしく生きてもらった方がいいですよね」
健康的に過ごすことは、介護生活への移行を防ぐだけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながる。なんらかの病気が重症化しないように、定期的に健康診断を受けることも大切だそうだ。
(石水典子+ノオト)