妊娠中に食べないほうがいいものは?

妊娠中に食べないほうがいいものは?

第2回 妊娠中、食べて良いもの悪いもの

甘いものは食べていい?

過剰摂取に注意してほしいのが、脂質、糖質、塩分です。特に女性が過剰摂取しやすいのが糖質。糖は摂取すると血糖値が上がり、インスリンが出て糖分を筋肉や脂肪細胞に蓄えます。しかし、妊娠中に糖を過剰摂取するとインスリンの働きが抑制され、妊娠糖尿病になりやすくなってしまうのです。血糖値が下がりにくい状態になると、多くの糖が赤ちゃんに行ってしまいます。

赤ちゃんも自分でインスリンを出しますが、インスリンは成長ホルモンのため、どんどん大きくなります。そして赤ちゃんの体の組織に影響を与えてしまうのです。赤ちゃんは生まれた後、低血糖になりやすく、脳細胞(神経細胞)への影響が心配されます。

また、最近は食の細い人が多いのも気になります。栄養が足りていないと赤ちゃんは少ない栄養で体を維持するようになり、小さく生まれ、太りやすい体質になってしまうのです。きちんと食べて、それなりに大きいのが理想です。

妊娠中に食べないほうがいいもの

魚は食べても大丈夫?

妊娠中に食べていいのか気になるのが「魚」ではないでしょうか。「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」が厚生労働省からだされており、妊婦さんの関心は高いようです。大型魚ほど水銀の含有量が多いため、マグロやキンメダイなどはなるべく控えたほうがいいでしょう。

目安として、マグロの刺身1人前を週2回であれば心配ないとされています。良質なたんぱく質を含む魚介類はEPA、DHAなど、赤ちゃんにも必要な必須脂肪酸を豊富に含みます。ですから水銀が少ないサバやイワシなどの小魚で摂ることをおすすめします。さらに、できれば火を通した焼き魚や煮魚の方がより安心です。

■協力一覧 イラスト/ふるやますみ
竹内正人(たけうちまさと)
竹内正人(たけうちまさと)
日本医科大学大学院卒業。葛飾赤十字産院産科部長などを経て東峯婦人クリニック副院長。医療の枠をこえた様々な取り組みを展開している行動派産科医。著書も多数。
日本医科大学大学院卒業。葛飾赤十字産院産科部長などを経て東峯婦人クリニック副院長。医療の枠をこえた様々な取り組みを展開している行動派産科医。著書も多数。