そんな家庭の一例として、夫も妻も金融関連で働き、長女、次女ともに保育園に通う、Oさん宅(埼玉県)の家計の診断を、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」のファイナンシャルプランナー、大竹のり子さんにお願いした。
●Oさん(埼玉県)の 家計簿
夫:会社員(金融系) 36歳
妻:会社員(金融系) 36歳
長女:3歳(保育園)
次女:1歳半(保育園)
<収入>
夫:約45万
妻:約28万
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月々の収入の合計 約73万円
<その他の収入>
夫:ボーナス 約100万(年間)
妻:ボーナス 約80万(年間)
*育休明けのため2015年のボーナスは1回。
<支出>
食費 ………………………50000円
外食費 ……………………40000円
住居費 ローン ………… 130000円
水道光熱費 ……………… 15000円
通信費(スマホ・携帯以外)……5000円
スマホ代 ………………… 15000円
日用雑貨 ……………………5000円
保育費用 ………………… 80000円
医療費 …………………… 5000円
教育・教養費 …………………なし
美容費(美容院・ネイルなど)10000円
被服費(家族の洋服代)………15000円
娯楽費(外食以外のお出かけ)20000円
交際費(夫・妻の小遣い以外で)…なし
夫 小遣い ………………50000円
妻 小遣い ………………50000円
子 小遣い ……………………なし
保険料 ………………… 150000円
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月々の支出の合計 …… 640000円
月々の残額 ………………90000円
<備考>
保険料の内訳
子ども:学資が2万円、
夫:終身保険8万、妻:終身保険5万
終身保険を学費に充てるつもりで15年払いにしている。
●今後の教育費用などは、どれくらい貯めておけばいい?
学資保険だけでなく、夫妻の終身保険も教育費用に考えているOさん夫妻。子どもたちには、どれくらいの教育費用を用意すればいいのだろう?
「教育費用は、小学校から大学まで私立にするか公立にするかなどで、かかる費用には大きな差があります。また、一般的に大学進学の費用として用意しておきたい金額は、少なくて300万円。できれば500万円くらいといわれていますが、学部によってもかなりの違いがあります。どのようなプランを想定しているかによって、必要な教育費用はかなり変わってきます」
文部科学省の平成24年度「子供の学習費用調査」によれば、幼稚園3歳から高等学校3学年までの15年間において、すべて私立に通った場合は約1,677万円となり、すべて公立に通った場合(約500万円)の3.36倍となるそう。
「教育費用は高校以降にかかる分を貯蓄しつつ、小中高の分は月々の家計のなかから出していけるようにすることが大切です。Oさん宅の場合は、月々かかっている保育費用を、小中高でも月々の教育費に充てていくと考えれば、小学校から私立に通った場合でも対応できるでしょう。高校以降は、学資保険と終身保険で備えているので問題ありません」
●万が一に備え、夫の収入だけでもやりくりできる家計管理を
とはいえ、人生には想定外のことが起こることも…。一般的な20代、30代の共働きの夫婦が知っておきたいリスクと備えについて聞いた。
「20代から30代は出産の時期と重なります。注意したいのは、2人目や3人目のお子さんの産休や育休、時短勤務になったときでも家計を回せるかどうかがです。時短勤務のため給与が減り保育費用や住宅ローンがつらい、お子さんの体が弱く妻が退職といったケースもあります。いつも妻が同じペースが働き続けられるとは限らないので、先々への備えは必要です。夫の収入だけでも家計が回していけるようであれば、安心といえるでしょう」
大竹さんによれば、固定費(住居費、カーローンなど)を抑えておくと、急な家計の変化にも対応しやすいそう。2016年の年頭は、ぜひ貯蓄と家計管理の2つを見直してみては?
(川野ヒロミ+ノオト)