愛知県在住のRさん宅は、夫は自営業、妻は専業主婦、小学生が3人の家族構成。Rさんによれば、「夫が年上なので今のうちに貯蓄したいが、思うように貯まらない。3人の子どもの大学進学や留学資金を貯めたいけど、なかなか節約ができず、毎月ドンブリ勘定になってしまっている」のが悩みだとか。
そこで、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」のファイナンシャルプランナー、大竹のり子さんに実際の家計簿を見てもらい、家計診断をお願いした。
●Rさん(愛知県)の 家計簿
夫:自営業 53歳
妻・専業主婦 41歳
長女:小学6年女子
長男:小学3年男子
次女:小学1年女子
<収入>
夫:約70万円
<支出>
食費 ………………………… 50000円
外食費 ……………………… 15000円
住居費 …………………… 180000円
水道光熱費 ………………… 25000円
通信費(スマホ、携帯以外)… 8000円
スマホ代 …………………… 30000円
日用雑貨 ………………… 10000円
小学校 給食費 …………… 12000円(4000×3)
医療費 ……………………… 100000円
教育・教養費 ……………… 50000円
美容費(美容院、ネイルなど) 15000円
被服費(家族の洋服代)……… 15000円
娯楽費(外食以外のお出かけ) 20000円
交際費(夫・妻の小遣い以外で) 10000円
夫 小遣い …………………… 30000円
妻 小遣い …………………… 5000円
子 小遣い …………………………なし
保険料 …………………………80000円
貯金 ………………………… 100000円
車の維持費(ガソリン代など) 15000円
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支出合計 …………………… 680000円
月々の残額 ………………… 20000円
<備考>
保険料の内訳
全労済(貯蓄系) …………… 37000円
子どものけがコープ ………… 3000円(1000円x3人分)
学資保険(貯蓄系) ………… 30000円 (10000円×3人分)
車保険 ………………………… 10000円
●子が複数人いる場合は、教育費用が同時に増える時期に注意!
まずは、Rさん宅の家計の気になるポイントを大竹さんに聞いた。
「収入額は多いけれど、その分住宅ローンが高く、いつ完済を予定しているかが気になるところです。とはいえ、夫が自営業で定年がなく、家計は黒字ですから、一番下のお子さんが大学を卒業するまで、今と同じペースで働き続けられれば大丈夫でしょう。貯蓄は毎月10万円を維持したいですね」(大竹さん 以下同)
子どもたちの大学進学を視野にいれて、定額貯蓄や学資保険を続けているRさん宅。教育資金は充分だろうか?
「お子さんが複数人いる家庭では、同時に教育費用がかかり始めたときが要注意です。上手く配分ができなかったり、一番上のお子さんに想像していた以上のお金がかかってしまい、下のお子さんの分の教育費用が足りなくなったりするケースが少なくありません。Rさん宅の場合は、高校受験と大学受験が重なったり、大学生2人と高校生1人の進学状況になったりするなど、3人同時に教育費用が増える時期があるので、そこをどう乗り越えるかが課題です」
ちなみに、留学費用については、留学する国や期間、形態(ホームステイ、寮など)によって、数十万円から数百万円と大きく異なるため、どれくらい貯めればいいかは一概にはいえないそう。
●子が小学生から中学生になるタイミングは、家計に変化アリ
Rさん宅に限らず、子どもが中学生になるとき、家計に大きな変化が訪れるという。小学生と中学生では、家計にどんな影響があるのだろうか?
「中学生になると行動範囲が広がるので、お小遣いや携帯代などもかかるようになり、帰省や旅行の費用も大人料金になります。公立中学校でも修学旅行などの積み立てや部活にかかる費用、さらに塾代がかかることもあるでしょう。こうした費用は、貯蓄分からではなく、月々の収入でやりくりする必要があります」
こういった変化に備え、家計簿をつけて家計の姿を把握することが重要になってくる。しかし、「家計簿をつけるのが面倒」と感じてしまう場合、簡単な家計管理の方法はないのだろうか?
「レシートを貯めておき、週末や月末にまとめてチェックする方法がオススメです。溜まったレシートに、良い買い物(必要だったものなど)には◯、無駄だった買い物(まったく使わなかったなど)は×、少し使っただけや突発的に買った物には△をつけていきます。×と△をつけた分は、貯蓄に回せた分です。このレシート管理を繰り返すことで、買うべきか否かを考えるクセが身についてきます」
レシートによる家計管理の方法なら、家族で話し合いながら自分たちのお金の使い方を見直すことができる。ぜひ、試してみては?
(川野ヒロミ+ノオト)