潮干狩りができる時期って?
潮干狩りに行った経験がない場合、いつごろ行けば貝が採れるのか分からないでしょう。潮干狩りのニュースを見て、なんとなく出かけようとする人もいるかもしれません。
タイミングを合わせて潮干狩りをするには、潮の満ち引きに対し理解を深めることが大切です。出かける日程を決めるために、潮干狩りに適した時期を紹介します。
大きく潮が引く春
潮干狩りにおすすめなシーズンは、大きく潮が引く「4~5月ごろ」です。干満の差が大きい時期が、狙い目となります。海の中にある砂浜が大きく露出することが多いので、たくさんの貝が採れるでしょう。
ゴールデンウィークごろは昼間に潮が引く時期と重なりやすいため、人気スポットには大勢の人々が詰めかけます。ただし、その年によって干潮のタイミングは異なります。
毎年、同じ日がベストタイミングにあてはまるわけではないのです。潮干狩りは3~7月ごろまでできますが、極端に寒さや暑さを感じやすい時期に、子どもを連れて潮干狩りをするのは難しいでしょう。
貝が旬の季節
潮干狩りで採れる貝のなかでも、あさりやはまぐりはおいしいことで知られます。食材には旬があり、貝も例外ではありません。
生息地によっても微妙に時期が違いますが、あさりの旬は「春から初夏にかけて」の産卵期です。関東より南の暖かい地域では、秋にもあさりの旬を迎えます。
はまぐりの旬は「2~4月ごろ」で、産卵期は5~10月ごろです。産卵期は身にたくさんの栄養を蓄えているため、おいしく食べられるでしょう。
潮干狩りをする時間帯とは?
せっかくの潮干狩りの機会ですから、たくさんの貝を持ち帰りたいものです。しかし、行く時間を間違えてしまうと、全然見つからないこともあります。潮干狩りに適した時間帯を見ていきましょう。
干潮の前後がおすすめ
たくさんの貝を採りたいなら「干潮の2時間前」に、潮干狩りのスポットに到着している状態が好ましいでしょう。時間がたってからではダメなのか、疑問に思う人もいるかもしれません。
貝はやや海水がある場所に集まるので、完全に潮が引いてしまっている状態では見つけにくい傾向です。より多くの貝を見つけるには、潮が引いていく状態を追いかけながら、波打ち際で探します。
また、潮が大きく引く「大潮」の日を狙うと、普段は海水で隠れている部分でも潮干狩りができるでしょう。より広い範囲で、潮干狩りをしたい場合におすすめです。
干潮時刻をチェックしよう
たくさんの貝を持ち帰るためには、干潮の時間帯は外したくないポイントです。干潮時刻は季節や場所によって異なるため、タイミングを見計らって到着している必要があります。
干潮時刻をチェックするには「潮位表」を調べましょう。潮位表は、気象庁や海上保安庁のホームページなどで確認できます。干潮時の潮位が「大体30cm以下」となるときが、潮干狩りに適している日です。
ゴールデンウィーク期間中や潮干狩りのハイシーズンに出かける場合、渋滞や混雑が予想されます。タイミングを外さないよう、時間に余裕を持って出かけることが重要です。
あまり遅い時間に到着すると、貝が採りつくされてしまい何も残っていないこともあります。早めの行動を心掛けて、たくさんの貝が採れるようによいポジションを狙うことをおすすめします。
潮干狩りに必要な持ち物
潮干狩りには必要なアイテムがいくつかあるため、出かける際は荷物が多くなります。潮干狩りスポットの近くに売店がある場合も多いですが、スムーズに掘り始めるには、あらかじめ準備しておきましょう。潮干狩りに持って行くものを紹介します。
熊手
熊手は貝を砂浜から掘り出すために必要な道具です。スコップとは違い、砂をかき分けながら掘れます。様々な種類が販売されているので、どれを選ぶか迷いますが、刃先が丸めてある「忍者熊手」を選びましょう。
刃の部分に網が付いているものを選ぶと、うまく貝が引っ掛かりやすく、子どもでも掘りやすくなります。持ちやすい大きさかどうかも、チェックしましょう。
ゴム手袋や軍手
砂浜の中には、割れた貝やガラスのかけらなどが埋まっていることがあります。潮干狩りでは、熊手だけでなく、手を使って砂をかき分ける場面が少なくありません。
素手で貝を掘り出そうとすると、思わぬケガをすることがあるので、ゴム手袋や軍手を準備しましょう。炊事用や掃除用に販売されているものや、100均で売っている軍手でも十分に保護できます。
バケツやネット
掘り出した貝を入れておく、バケツやネットも必要です。容器であれば何でもよいと考えがちですが、取っ手が付いた容器の方が持ち運びやすいでしょう。
家族みんなで同じ場所を掘るわけではなく、いくつかのグループに分かれて掘った方が効率がよいので、複数のバケツやネットを用意しておくことをおすすめします。
水に浮く枠付きのネットが便利ですが「洗濯ネット」や、キッチンの三角コーナーに使う「水切りネット」などでも構いません。ビニール袋だと破れてしまうことがあるため、丈夫なネットを用意しましょう。
クーラーボックス
貝を持ち帰るときに備えて、クーラーボックスを準備しておきましょう。生きたまま持ち帰らないと鮮度が落ちてしまい、嫌な臭いが出たり傷んだりする原因となります。
クーラーボックスには様々な大きさやタイプがありますが、たくさんの貝が採れたときのことを考え、やや大きめが安心です。「氷や保冷剤」なども、忘れずに入れておきます。
蓋付きの発泡スチロールや保冷バッグを、クーラーボックスの代わりに利用する方法もおすすめです。また、徒歩で出かける場合、車輪付きのクーラーボックスを持って行くと、楽に移動できます。
あると便利なグッズ
スマホや車の鍵などが濡れないように「防水ケース」もあるとよいでしょう。ポケットにむき出しの状態で入れたままだと、濡れて故障することが心配です。
近くに売店がない場合に備えて、軽食や水なども持って行きましょう。熱中症にならないように、小まめに水分やエネルギーをとれるようにします。
万が一、貝の破片などでケガをしたときのために「絆創膏」を用意しておくと安心です。また、貝を包む「新聞紙」や、海水を持ち帰る容器もあるとよいでしょう。海水は持ち帰った後の処理に必要です。
子どもが飽きてしまったときに備えて「砂遊びグッズ」などもあると、楽しく過ごせるでしょう。新しく購入しなくても、普段、砂場で遊んでいるようなバケツやスコップなどで十分です。
潮干狩りにおすすめの服装
潮干狩りに適した季節は中途半端な気温の場合が多く、どんな服装で行くべきか悩みますが、水辺で作業をすることを考えて選ぶことが基本です。潮干狩りにおすすめの服装を紹介します。
汚れてもよい服装で
潮干狩りをする際の服装は、砂や海水で汚れてもよいものを選びましょう。浜辺にしゃがんで作業をすることになるため、小さな子どもには「水着」を着せておくことをおすすめします。
潮干狩りスポットは、太陽光や風などから遮るものがない場所にあります。風が強く吹くと冷えやすいので「羽織れるもの」も用意しておきましょう。紫外線を防げるタイプの、薄手の上着があると便利です。
貝の居場所は砂地が柔らかくなっていることが多く、足で踏んで確認する方法がありますが、裸足だとケガの恐れがあります。靴下を履くと、足を守りながら砂の様子が分かるでしょう。
小さな子どもの足元はマリンシューズや、長靴が安心です。ビーチサンダルは波で流されやすく、潮干狩りには向いていません。また、衣類が濡れてしまったときに備え「着替え」の準備もしておきましょう。
日焼け対策もしっかりと
4~5月ごろは、紫外線量が高くなる時期です。日焼け止め対策を忘れないようにしましょう。日焼け止めを利用するほかにも「サングラス」や「帽子」などの小物を、持って行くことがおすすめです。
日焼け止めは時間がたつと、汗や皮脂で流れて効果が薄れやすいので、小まめに塗り直す必要があります。防水ポーチなどに、日焼け止めグッズを入れて持ち歩くとよいでしょう。
「フード付きの羽織もの」や、首回りに巻ける「手ぬぐい」などを持って行くと、うなじの日焼けを防げます。子どもには、風で飛ばされないように紐が付いた帽子をかぶせましょう。
潮干狩りで貝を見つけるコツ
準備万端で潮干狩りに向かったものの、貝が全然見つからないこともあります。思いつくままに、やたらと掘り返してもなかなか見つかりません。多くの貝を持って帰るために、探し出すコツを押さえておきましょう。
波打ち際やカケアガリを掘る
潮が引いていく動きに合わせて、波打ち際を狙って掘ってみましょう。水際を軽く掘るだけで、隠れていた貝が浮かび上がってくることがあります。
潮が引いたときにやや小高く、傾斜になっているところを「カケアガリ」と呼びます。波を避けられるので、貝にとって居心地がよい場所です。このような地形は、波の作用によって生まれます。
また、貝のエサとなるプランクトンが多い場所も狙い目です。プランクトンは「海藻」がある場所を好むので、海藻がたまっている近くにも貝が潜んでいます。
貝が呼吸をするために伸ばす管は、それほど長くありません。砂の表面から数cmの場所を掘り返すことがポイントです。深く埋まっている場合、すでに死んでしまっている可能性が高いでしょう。
小さな穴を探す
何の目印もないと、広い砂浜の中から小さな貝を見つけることは困難です。砂浜をよく見てみると、いくつもの小さな穴が開いていることがあります。これは、貝が呼吸をするために穴を開けた跡です。
例えば、あさりは細長い管を2本出して空気を吸うため「1~2mm程度の小さな穴」が並んだ状態で開きます。波が引いた瞬間を見計らって、よく目を凝らしてみましょう。
複数の小さな穴が開いていたら、その付近にあさりが隠れています。穴が集中している場所を掘り返せば、たくさんの貝が見つかる可能性は高いでしょう。
1個見つけたら周辺をよく探そう
熊手が硬いものにぶつかる感触がしたら、貝が潜んでいる合図です。その周辺に集団で隠れている可能性が高いので、周辺を掘り起こしましょう。
貝はひとつずつ砂の中に隠れているものだと思いやすいですが、単体ではなく集団で同じ場所に住んでいることが多い生物です。1個見つけたら、周辺に数十個も集まっている場合があります。
小さな熊手だけで広い範囲を掘り起こそうとすると、効率がよくありません。表面を熊手で掘り返して柔らかくしたら、後は手を使って掘り出すとよいでしょう。
貝を持ち帰る方法
貝を見つけるだけでなく、持ち帰った貝をおいしく食べることも、潮干狩りをする楽しみのひとつです。生きている貝を持ち帰るには、ちょっとしたコツがいります。新鮮な貝を持ち帰る方法を見ていきましょう。
水を捨ててクーラーボックスへ
クーラーボックスの中には「貝と保冷剤」を入れた状態で持ち帰ります。貝を海水に浸けたままの方がよいと考えがちですが、新鮮な状態をキープしたいなら避けましょう。
海水ごと持ち帰ろうとすると、貝が傷む原因になります。クーラーボックスの中は狭いので、家に持ち帰るまでの間に海水が温まりやすく、弱ってしまうのです。
長い道のりを帰らなければならない場合は時間がかかるので、注意しないと貝の状態が悪くなります。暖かい時期に潮干狩りをする場合、貝の鮮度には特に気を配りましょう。
ネットに入れた状態で水道水をかけてよく洗い、表面に付いた砂や汚れを流してから、保冷剤や氷を入れたクーラーボックスの中に入れて持ち運びます。
ネットごと新聞紙などで包んでおくと、冷たい空気に直接触れないので、貝がストレスを感じることなく、より鮮度が高い状態で持ち帰れるでしょう。
海水も一緒に持って帰る
貝は砂の中で危険を感じた際に、息をするための管や半開きにしていた体を素早く引っ込めて、外敵から身を守ろうとします。このとき、一緒に砂を吸い込んでしまうことがあるのです。
潮干狩りで掘り出した貝を、そのまま食べるとジャリジャリしておいしくありません。おいしく食べるには「砂抜き」が必要です。しばらく海水に浸けると、内部にため込んでいた砂を吐き出します。
その貝が住んでいた場所の海水を使うと、砂を吐き出させやすいでしょう。必要な容量の目安は4~6l程度です。海水を持って帰れない場合は、1lあたり30g程度の塩を入れた塩水を作って、浸けておく方法もあります。
まとめ
潮干狩りに出かける前に、干潮の時期や時間帯について調べておきましょう。潮位表を見て、昼間の干潮時の潮位が30cm以下になる日程に合わせて、干潮前後の到着をめざします。
服装は、濡れたり汚れたりすることを考えて選びましょう。子どもは水着を着せ、上から羽織れるものを用意しておくと安心です。着替えや、紫外線対策も忘れないように準備します。
貝を掘り出す道具だけでなく、持ち帰るために必要なものも準備しなければなりません。持ち物が多くなるので、慌てずにしっかりと用意し潮干狩りを楽しみましょう。