料理酒の代用品6つ
代用品を使うことで、料理酒の役割である「臭み消し」「やわらかく仕上げる」「コクやうまみを足す」のいずれかの効果が期待できます。代用品6つのそれぞれの特長と、向いている料理を詳しくお伝えします。
日本酒
料理酒の代用品の中でも、一番適しているのが日本酒です。日本酒も料理酒も、同じ日本酒の一種である清酒のため、味わいが近くなります。
日本酒の中でも純米酒を選ぶと、コクやうまみがあるため代用として使いやすいでしょう。純米酒がない場合は、それ以外の醸造酒で代用していいでしょう。
焼酎
焼酎を代用品として使いたい場合は、チューハイに使われるクセの少ない甲類焼酎が最適です。または、本格焼酎の中でも比較的クセの少ない米焼酎や麦焼酎を使うようにしましょう。芋焼酎はクセがあるため、料理の味に影響してしまうことが考えられます。
焼酎は日本酒と違い、蒸留しているため糖質を含まず、甘みやうまみといったものはあまりありません。ですが、アルコールによる臭みを消す効果や食材をやわらかくする働きは期待できます。
焼酎を代用品として使いたい場合は、肉や魚の下処理用、または濃い味付けで焼酎の風味が気になりにくい煮物などの料理に使うといいでしょう。
みりん
みりんを代用する場合、「みりん風調味料」でなく、「本みりん」であれば代用できます。みりん風調味料と違い、本みりんはアルコールを含むからです。
本みりんで代用することで、料理にコクやうまみを与え、食材の臭みを消してくれる働きがあります。
ただし、みりんは糖分を約40%も含み、入れすぎると料理の味を甘くしすぎてしまいます。また焦げの原因にもなります。
使う場合は砂糖の量を減らして調整し、火加減に注意して焦げないように気をつけましょう。
ワイン
ワインは洋食において料理酒と同じように使われることが多いため、料理によっては代用ができます。
ワインは食材の臭みを消し、やわらかく仕上げ、料理にコクやうまみを与えるといった料理酒と同じような働きがあります。
ただし、料理にワインの風味が残りやすいため、とくに和食には合わない場合もあります。ワインの中でも、甘みやクセの少ない白ワインを使うと比較的影響が少ないでしょう。
ビール
ビールには、肉をやわらかくする働きや、料理にビールのコクを与えるといった働きが期待できます。
ただしビールの風味が残りやすいため、繊細な味つけの料理には向きません。洋風の料理や濃い味付けの料理などの場合に代用しましょう。
ウイスキー
ウイスキーは特徴的な香りがあるため、使う料理を選べば代用として使えます。
臭み消しやコクを与えるというよりは、ウイスキーの香りをつけるといった使い方になるでしょう。ステーキを焼くときのフランベや、ビーフシチューや角煮などのこってりとした煮込み料理などに使えます。
検証!代用品で仕上がりはどう変わる?
紹介した代用品で実際に代用した場合、仕上がりにどのような差が出るのでしょうか?今回は、サラダや和え物などを作りときに便利な「鶏ささみの酒蒸し」を作ってみて、仕上がりを比較してみます。
鶏ささみ1/3本に対し、代用品をそれぞれ小さじ1ずつ振りかけ、ラップをして電子レンジ600Wで40~50秒ほど加熱。粗熱が取れるまでそのまま蒸らしたものを食べ比べてみます。
料理酒
まずは代用品ではなく、料理酒を使って蒸したものです。
料理酒の風味は残らず、鶏の臭みは消え、しっとりやわらかくなりました。しっとり具合は代用品にかなうものはなく、一番やわらかい仕上がりでした。
日本酒(純米酒)
日本酒で蒸したものは、しっとりさは料理酒に比べると減り、ややパサついた仕上がりになりました。
鶏の臭みは消え、日本酒の香りなどは残っていないので、臭み消しの代用品としては十分でしょう。
焼酎(甲類焼酎)
甲類焼酎を使ったものは、しっとりしているものの、やや水っぽく感じました。
気になる焼酎の香りなどは全く残らず、鶏ささみの臭みも消してくれました。甲類焼酎でも代用品として十分使えそうです。
焼酎(米焼酎)
米焼酎で代用したものは、意外にもしっとりとしています。
米焼酎そのものは甲類焼酎に比べるとクセのあるにおいですが、意外にも蒸したあとの香りはほとんど残っておらず、全く気になりません。しっかりアルコール分を飛ばせば香りも飛んでくれるので、代用品として使えるでしょう。
みりん
みりんを使って蒸したものは、一口食べた瞬間みりんの甘さが気になりました。鶏ささみを砂糖漬けにしたような甘さ……。
やわらかさはあるものの、甘みがかなり気になり、そのままではほかの料理に使えそうにありません。みりんを代用品として使うなら、みりんを使う料理のときに使うことを強くおすすめします。
白ワイン
白ワインを使ったものは、しっとりとやわらかく仕上がりました。
鶏の臭みは消えて、白ワインのよい香りが残ります。これはこれでおいしいのですが、ワインの風味が残っているため和食には合いそうにありません。洋風のサラダやマリネなどであれば使えそうです。白ワインで代用する場合は、洋食の場合にしておきましょう。
ビール
ビールで代用したものは、やわらかく仕上がると思いましたが、意外にもパサつきが気になりました。生肉の状態でビールに漬け込んでおくと、やわらかくなったのかもしれません。
味はビールの香りがかなり残っています。目隠しをしていても、ビールを使ったとわかるくらいの風味です。シンプルな酒蒸しや、鶏ささみのようなあっさりとした食材には合わないようです。味つけの濃いものや、脂の多い肉類なら合いそうです。
ウイスキー
ウイスキーを使ったものは、しっとりさはあまりなく、ややパサつきが気になりました。
ウイスキーの香りがしっかりと残り、酒蒸しというよりは「ウイスキー蒸し」。鶏ささみには合うはずもなく、ちょっと残念な仕上がりに。ビールと同じように、濃い味付けのものや脂の多い肉類、またウイスキーの香りが残ってもおいしく食べられるメニューのときに使うといいでしょう。
さまざまな代用に使えるのは、日本酒と焼酎!
料理酒の代用として何にでも使えそうなのは、日本酒と焼酎(甲類焼酎・米焼酎)という結果になりました。
みりん、白ワイン、ビール、ウイスキーで代用する場合、料理を選ぶでしょう。
検証して一番実感したのは、料理酒のすごさ。鶏ささみが断トツでしっとりと仕上がったのは感動ものでした。普段料理するときには気付かない、料理酒の効果を知ることができました。
配信: トクバイニュース