生徒間で性器の画像を送る行為も!深刻化するスクハラ問題

第3回 急増するスクールセクシャルハラスメント!
スクールセクシャルハラスメント(以下SSH)と聞くと、猥褻な行為=教師と生徒の間で起きる問題だと捉えがちだが、昨今のSSHは、友だち同士の間でも起きている…。そこで、SSHP全国ネットワーク代表・亀井明子氏を取材。新たな形へと変異したSSHの実態を聞いた!

●彼氏が彼女に「裸の写真を送れ!」と命令し…

小学校高学年から中学生にかけ、思春期に入ると、子どもたちの好奇心は、自然に“性”へとつながる。男女の違いを認識しながらも、幼さが残る思春期世代。スマホなどITの発展も重なり、誤った性の価値観を持つ思春期世代が、暴走する事件も頻発している。

男子生徒が好きな女子生徒にSNSで自分の性器の写真を送りつける、彼氏が彼女に「裸の写真を送れ」と命令し、彼氏に嫌われたくないあまり裸の写真を送ったところ、彼氏に拡散されてしまった…など、このような事例は決して特別なわけではなく、どこの町でも起きている。

「友だち間で発生するSSHは、新しい危機なんですね。小学校高学年から高校生にかけて、年々このような被害は多くなっていると思います。昔はスカートめくりで済んでいたものが、IT化が進み、画像やSNSで好きな子にちょっかいをかけるという風潮に進化したのだと思いますが、ごっこ遊びでは済まされない問題です。被害者側は大きなショックになりますし、その後トラウマになってしまう子もいる。スマホを与えるということは、それほどに危険なことで、子に与えるならば、親がしっかりと管理しなければならないのです」(亀井氏 以下同)

スクハラは身近で起きている!

「特に男子のママには、いつも危機感を持っていて欲しい」と語る亀井氏。

「時折履歴を見る、SNSをのぞくなど、子どもとルール作りをして、それが守れない場合は没収するくらいの心持ちでいて下さい。性に敏感な男の子たちは、いつ悪ふざけで誤った使い方をするかわかりません。“うちの子に限って…”という考え方は捨て、“うちの子も、いつやるかわからない…”という危機感を持って欲しいと思います」

性に未熟な思春期世代だからこそ、ついノリで相手を傷つけてしまうことも。親は子のスマホをしっかりと管理し、大切な友だちを傷つけるようなマネだけはさせてはならない。

(取材・文/吉富慶子)

お話をうかがった人

亀井明子
NPO法人SSHP全国ネットワーク代表
「暴力防止情報スペース・APIS」をはじめ、フェミニズム視点を取り入れたカウンセリングルームを主宰。COSMO(ドメスティック・バイオレンスのサポートグループ)、SSHP(スクール・セクシュアル・ハラスメント防止)、CAP(子どもへの暴力防止)など、子どもや女性に対する暴力防止を目的とした市民活動を行っている。
「暴力防止情報スペース・APIS」をはじめ、フェミニズム視点を取り入れたカウンセリングルームを主宰。COSMO(ドメスティック・バイオレンスのサポートグループ)、SSHP(スクール・セクシュアル・ハラスメント防止)、CAP(子どもへの暴力防止)など、子どもや女性に対する暴力防止を目的とした市民活動を行っている。

書籍紹介

知っていますか?スクール・セクシュアル・ハラスメント一問一答
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1,296円
教育現場におけるセクシュアル・ハラスメントについて、その実態や二次被害、起こる背景、被害者や親ができること、支援者・学校・教育委員会の役割や防止対策などを、一問一答形式でわかりやすく解説する。
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スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか
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幻冬舎
1,512円
一部の不心得者の問題ではない。学校だから起きる性犯罪の実態。10年以上にわたって取材を続けてきたジャーナリストによる執念のドキュメント。
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なくそう!スクール・セクハラ―教師のためのワークショップ
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かもがわ出版
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