そもそも反抗期とは?
育児中、子どもとうまくいかなくなる時期は何度も訪れます。単なるわがままを言っているだけなのか、反抗期なのか判断がつかないこともあるでしょう。事態に正しく対処するために、反抗期について理解を深めていきましょう。
大人に対して反発してしまう時期
反抗期は周囲の大人や家族に対し「反発心」を抱く時期のことを指します。「しつけが間違っていたのかも…」と、悩む人もいますが、成長の過程で起きる自然な現象です。
反抗期が始まると、親の言うことを聞かずに生活が乱れたり、乱暴な言動が増えて周囲を戸惑わせたりします。口答えされることが増えると、反抗期が来たと感じる人が多いでしょう。
乱暴なことを言うだけでなく、時には、大人の言動を冷静に批判するようなことを言う場合もあります。
いつからいつまで続く?
2~3歳ごろに初めての反抗期が訪れ、思春期にも第二次反抗期がありますが、小学校3~4年生ぐらいの時期に「中間反抗期」が起こることもあります。
子どもの「性格」や「成長の度合い」によって個人差があり、必ずいつからいつまで起こるという性質のものではありません。子どもを取り巻く環境が、影響する場合もあるでしょう。
数カ月で収まる場合もあれば1年程度続いたという場合もあり、人それぞれです。接し方を間違えてしまうと長引くことがありますが「いつかは終わるもの」と、考えておいた方が気が楽でしょう。
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反抗期がない場合も
成長の仕方には個人差があり、反抗期らしいものがない子どももいます。本人が成長していないというわけではなく、変化が表立って出てこない場合もあり、周囲に分かりづらいだけかもしれません。
自分の気持ちを表に出すのが苦手な子どもや、周囲に対し関心が薄いタイプの子どももいます。後から振り返ってみて「もしかしたら、あれが反抗期だったかも」と気づく場合もあるでしょう。
反抗期は「自我が順調に成長しているという合図」でもあります。なければないで、不安になる場合もあるかもしれませんが、子どもの成長のペースを受け入れることが大切です。
なぜ反抗期は起こる?
反抗期が訪れることは自然なことですが、なぜ起こるのかが分かっていると対処しやすいでしょう。反抗期が起こる原因には、どのようなものがあるのか紹介します。
体や心の成長に戸惑いを感じて
個人差はありますが、小学校中学年である4年生くらいになると体も大きくなり、自分なりにやりたいことが出てきます。いわゆるイヤイヤ期である第一次反抗期のころの比ではないくらい、できることが増えている年齢です。
小さかったころとは違い、自分なりの考えを持つようにもなっています。成長して思考力が身に付けば、何も考えずにただ従うことは少なくなるでしょう。
しかし、知識が増え、自分の頭でものを考えられるようになってきているとはいっても、まだまだ内面は子どもです。「子ども扱いは嫌だけれど、大人の仲間にもなれない」という複雑な気持ちになっていると考えられます。
思い通りにならないことによるストレス
小さいころは親が何でもやってくれるため、ある程度は思い通りになっていましたが、成長すると思い通りにならないことに対しストレスを感じて、反抗期という形で表れることがあります。
周囲に指図されなくても、自分で判断できると思って始めたことがうまくいかないと、理想の自分の姿と現実の姿に対するギャップが大きくなり、イライラが募ってしまいます。
大人であれば「できることから少しずつ取り組んでいく」「周囲と自分を比べすぎない」など、経験に基づいて様々な対処ができるでしょう。しかし、子どもにとっては未知の体験であるため、混乱してしまうのです。
反抗期の子どもが取る行動
反抗期に子どもがどんな行動をするのかが分かっていると、対処しやすくなります。心の準備もでき、親が受けるショックが和らぐかもしれません。反抗期によくあるパターンを紹介します。
親への暴言や反抗的態度
親の言うことを聞かないだけでなく、暴言を吐くことがあります。大人が言われて傷付くようなことを言う場合もあり、驚かされるでしょう。
態度を注意しても「今やろうと思ってたのに」「うるさい」など、批判的な言葉が返ってきます。親が言ったことに対し、揚げ足を取ったり矛盾を指摘したりして困らせることもめずらしくありません。
イライラが募っている場合、ものを壊したり壁を蹴ったりと暴力的な行動を取る場合もあり、悩まされるでしょう。暴力的な行為をしたときは、親である自分たちのためではなく、大切な子どもを守るため、しっかりと言って聞かせることが必要です。
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親と関わることを嫌がる
反抗期の子どもは「親と一緒にいたくない」「しゃべりたくない」など、コミュニケーションを嫌がります。話しかけたり質問したりしても、無反応である場合も少なくありません。
それまでは、無邪気に何でも話していたのに、学校であったことや何をして遊んだかなどを話さなくなります。親としては子どもが何を考えているのか分からなくなり、戸惑うでしょう。
親は理由を知ろうとして焦ってしまいます。積極的にコミュニケーションをとらなければと考えてしまいますが、しつこく干渉して子どもを追い詰めないように注意しましょう。
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反抗期を迎えた子どもの対処法
小さかったころとは違い、子どもの年齢が高くなると、抱っこしてあやしたり機嫌をとって言うことを聞かせたりすることは難しくなります。子どもが反抗期を迎えたら、どのように対処すればよいのか見ていきましょう。
子どもの話をきちんと聞く
反抗期とはいっても、子どもにも言い分があるので、頭ごなしに否定せずにきちんと話を聞きましょう。子どもが親に対し「何を言っても無駄」だと感じている場合、自分の気持ちを話せません。
話を聞くときは途中で話の腰を折らずに、最後まできっちりと話をさせることがポイントです。子どもの話に対して、あれこれと意見を言わず肯定する気持ちで聞きましょう。
「そうは言うけど、あのときはこうだったじゃない」など、過去のことを持ち出すことはよくありません。親が意見を言うときは、理由を理解できるように説明します。
イライラしてものに当たったときは「ケガをしたら危ないからやめてほしい」「一生懸命働いて買ったものだから、壊されたら悲しい」など、言い方を工夫すると分かってくれる場合は多いでしょう。
感情的にならない
自分の子どもに、生意気なことを言われるとたじろいだり、傷付いたりすることが一般的です。子どもが自分にとって、大切な存在であればあるほど、その痛みも大きなものになるでしょう。
どんな場合にもあてはまることですが、感情的になってしまうと、冷静な話し合いはできません。なぜダメなのかを、淡々と言って聞かせる姿勢が大事です。
感情的に喚き散らしてしまうと、大人への信頼感が低下する心配があります。反抗されても根気強く揺らがない態度を見せれば、子どもは親の言うことに納得しやすくなるでしょう。
ほどよい距離を保つ
反抗期を迎えた子どもに接するときは、「くっつきすぎず離れすぎない絶妙な距離感」を保つことが大事です。子どものことがどんなに心配でも、ずっと付きっ切りで指示するわけにはいきません。
いつかは大人になり、巣立っていくのです。親が子どもに対して干渉しすぎると、反抗期が長引く原因になるでしょう。無視されたり、自分から話してくれなかったりすると焦ってしまいますが、ある程度は放っておきます。
子どもは親がこれまでのように構ってくれなくなると、不安な気持ちになるはずです。不安そうな様子を見せていたら「どうしたの?」と、声をかけます。
「おはよう」「おかえり」などのあいさつも欠かさずにします。そうやってコミュニケーションを取り続けると、反抗心がいつのまにか落ち着き、自然な態度でいられるようになるでしょう。
まとめ
子どもの反抗期は、順調に成長している証拠だといえます。口答えが増えるので、どのように接するか悩んでしまいますが、程度の差こそあれ、成長の過程で起きるものなのであまり思いつめすぎないようにしましょう。
口うるさく言いすぎたり、子どものやることに干渉しすぎたりすると、反抗心を煽ってしまうことがあります。感情的にならないように注意し、子どもの話を聞く時間を作りましょう。