「内助の功」はもう古い?そもそも「内助の功」の意味って?

第137回 みんなが共感!ママのお悩み
内助の功は妻を褒めるときに使う言葉ですが、昔の言葉のイメージがあり、本当の意味がよく分からない人もいるでしょう。内助の功といわれる妻の特徴や語源、夫婦円満でいるために現代の妻はどう振る舞うべきかをチェックしましょう。

そもそも内助の功の意味って?

(出典) photo-ac.com
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内助の功は妻の働きを表す言葉のひとつです。良妻の条件として扱われることが多いでしょう。どんな意味で使われるのか、見ていきます。

夫を支える妻の働き

内助の功という言葉は、妻の功績を讃えていう言葉です。「内助」は字の通り「内側からの助け」という意味で、「功」には苦労して成し遂げた結果や、手柄などの意味があります。

主に、妻が人知れず苦労したり機転を利かせたりしたことが夫の助けになり、その結果、夫が社会から認められるような場面で使われます。

成功した夫に対し、周囲が「奥さんの陰からの支えがあってこそ」という意味で、使うことがポイントです。妻がどんなに努力をしていても、夫が何も成し遂げない場合は、積極的に使われません。

内助の功の語源とは?

戦国時代から江戸時代にかけて活躍した「山内一豊」の妻「千代」の働きが、内助の功の語源とされます。山内一豊は、妻の働きにより大出世をしたことで知られる武将です。

一豊がまだ織田家の家臣の1人に過ぎなかったころ、「馬揃え」と呼ばれる、馬を集める行事に参加するための馬を探していました。

お金が足りず、良い馬を手に入れられなかったことを知った千代は、何かあったときのためにと親から持たされていたお金を使って、夫のために馬の購入資金を用意します。

良い馬を手に入れた一豊は信長の目に留まりました。その後、出世への階段を駆け上がっていったことから、妻の内助の功といわれるようになったのです。

内助の功といわれる妻の特徴

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自分のサポートで夫が周囲から認められることに、誇りを感じる人は多いはずです。どんな内面を持った妻が、内助の功といわれるのでしょうか。夫をよく支える妻の特徴を紹介します。

謙虚な性格

内助の功といわれる妻は、夫に尽くせる謙虚な性格を持っていることが特徴です。目立ちたがり屋の妻が、人が見ている前でだけ夫の世話を焼くのは、内助の功とはいえません。

あくまでも「表舞台に立って褒められるのは夫」というイメージです。表立って妻が何かをしている様子だけを見られて、褒めるときにはあまり使われません。

妻が夫よりも目立つ夫婦の場合は、使われにくいでしょう。自分にスポットライトが当たらなかったとしても、夫のために苦労してあげられる精神を持っている必要があります。

世話を焼くのが好き

特に意識しなくても「気づくと、夫の世話を焼いている」というタイプの人は、周囲に内助の功と感じさせやすいでしょう。

「夫の世話が大変で」などと周囲に言わず、自然と好きでやっている、趣味に近いような感覚を持っている場合が少なくありません。

夫や家族の世話に追われて、やつれた女性を「世話女房」と呼ぶことがありますが、内助の功と似ているようで違うものになります。ただ世話を焼くだけでなく、夫を支える自分を卑下しない心が必要です。

努力を忘れない

夫にとって大きな支えになる妻は、料理の腕を上げたり、家の中の整理整頓に気を配ったりなど、家族が幸せに暮らすための努力を続けられる特徴があります。

家族のためになることに対し、積極的に挑戦できる気持ちを持った人も内助の功といわれやすいでしょう。ある程度の理想や目標を持っていて、それに向かって楽しみながら努力できるかが重要です。

昔とは違い、家事や育児をしながら、自分の仕事も持っている女性の割合は増えています。忙しい日々でも努力を忘れない人でなければ、夫を陰から支え続けることは難しいのかもしれません。

夫が内助の功を感じるときって?

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内助の功については、妻が独断で決める性質のものではなく、夫の判断に委ねられる部分もあります。夫は妻のどんな行動に対し、内助の功を感じるのか見ていきましょう。

身の回りのことをしてくれる

「着ていくシャツにはいつもきれいにアイロンがかかっている」「バスルームに清潔感があり、安心して1日の疲れを癒せる」など、身の回りのことを率先してやってくれる妻に、内助の功を感じる人は少なくありません。

夫は自分が気持ちよく過ごせることに対し、内助の功を感じるのです。妻が存在することで、生活のレベルが上がっていると感じる状態が好ましいといえます。

「家計のやりくりをうまくやる」「子どもが順調に成長している」なども、夫を安心させる要素です。普段、表から見たときには分からなくても、家庭内で妻に対する夫からの評価が高い状態が求められるでしょう。

毎日健康で過ごせていると実感して

「栄養バランスの良い食事が出てくる」「小まめに布団を干して気持ちよく寝られるようにする」など、夫の健康を気づかって行動できる妻は、内助の功を感じさせます。

妻が規則正しい生活を送る手助けとなる場合、夫は健康を実感しやすいでしょう。1人でいるとついつい夜更かしをしてしまったり、早起きが苦手だったりと、自己管理が苦手な夫の場合、頼みの存在になるはずです。

独身時代に不摂生がたたって体調を崩したことがあり、家庭を持ってから健康的な生活を送れるようになった場合は、余計に妻に感謝しやすいでしょう。

いつでも自分の味方になってくれる

夫は、どんなときでも味方でいてくれると感じさせる妻を頼りにします。夫からの信頼が厚い妻かどうかも、内助の功に関係する要素です。

夫が失敗したときや、うまくいかない問題を抱えているときに、肯定的な態度でいられるかどうかは重要です。会社で否定されたとしても、家の中にたった1人の味方がいてくれるだけで、力が湧いてくることは多いでしょう。

うまくいっているときだけ愛想良くするのではなく、夫が不甲斐ない様子を見せたときも、肯定的にとらえて前向きに接するのが内助の功といわれる妻の特徴です。

内助の功といわれるためには

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誰かを献身的に支えることで得られる幸せがあります。人を立てることが得意な人もいるでしょう。陰から夫を支える妻になりたい人が、押さえておきたいポイントを紹介します。

穏やかでいることを心掛けて

家の中を切り盛りする妻がいつも穏やかでいることは、家庭内の雰囲気を良くします。妻がいつでもピリピリしている家や、家族間の争いが絶えない家は、夫に居心地が悪いと感じさせてしまうでしょう。

妻の言葉づかいや態度が荒々しいと、内助の功とは反対の状態になります。少々のことでは動じず、穏やかでいるためには心に余裕を持って暮らすことが大事です。

「無理をしすぎない」「理想をあまり高く持ちすぎない」など、考え方を柔軟にすることで、穏やかさを保ちやすくなるでしょう。

見返りを求めない

見返りを求めずに夫に尽くせる人は、内助の功といわれる素質があります。内助の功に支えられている夫の妻は、自分から「私の頑張りがあって、夫の仕事がうまくいきました」とは言いません。

あえて言わないのではなく、心から自分の才能や努力をひけらかさなくても、満たされた気持ちになれる精神が必要となるでしょう。

「夫婦は2人で1人」という考え方ができ、「夫のためにしてあげたことは自分のためにもなる」と、思えるかどうかがポイントです。

感謝の気持ちをもって接する

夫を支えるためにあれこれやっていても、夫に対して感謝の気持ちを持てない場合、「仕方なくやっている」という雰囲気が出やすいでしょう。内心は嫌々やっている様子が周囲に漏れるようでは、内助の功とはいえません。

何かをしてもらったときだけでなく、普段の何気ない瞬間に対しても、ありがとうと思える夫婦関係でいることが必要とされるでしょう。

「自分が幸せでいられるのは、夫がいてくれるからこそ」という気持ちを、自然に持てるかどうかが重要です。妻が無理を続けなければならず、幸福を感じられないようだと、成立しなくなってしまいます。

お節介に気を付けて

夫が「口出しされたくない」「やってほしくないな」と思っていることに対しては、お節介をしないことが基本です。やってほしいと思っていることを、タイミングよくできるかどうかが重要となります。

自分がしてあげたいことをするのではなく、相手の気持ちを汲み取る力が求められるのです。夫に対して興味が薄かったり、日ごろの観察を怠ったりしていると、夫が何を求めているのか分からない状態に陥りやすいでしょう。

普段からよく夫婦でコミュニケーションをとっていた方が、夫の変化に気づきやすく、どのように動けばスムーズに手助けできるか、分かりやすくなります。

内助の功はもう古い?

(出典) photo-ac.com
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内助の功が美徳とされていたのは、昔の話だと感じる人もいます。女性ばかりが、家庭内での苦労を強いられているように思う人もいるでしょう。内助の功に関する、様々な考え方を紹介します。

女性の活躍の妨げに?

もしかしたら、内助の功と聞いて嫌気がさす人もいるかもしれません。夫婦はお互いに支えあってこそ、成り立っているものだと考えているタイプの人もいます。

妻が夫を支えることだけに注目するのではなく、対等な関係でいられることに、幸福を感じる人もいるのです。価値観は人それぞれですが「妻が夫をサポートすべき」という考え方を、古いと感じる人もいます。

内助の功に支えられる夫の姿は、見方を変えると家庭での面倒を妻にすべて押し付け、妻が社会で活躍するチャンスを奪っていると、考えることもできるのです。

夫婦それぞれの考え方があり、世間一般の杓子定規では計り切れない部分もあります。一概に何が正解とはいえない部分もあることを、押さえておきましょう。

無理のない範囲でサポートを

無理に自分を納得させて行う努力や、どちらかが一方的に損をしている状態は好ましいとはいえません。妻が「何のための努力なのか分からない」という状態にならないように、無理のない範囲でサポートすることが大切です。

夫が忙しい妻を気づかい、本当はやってほしいことがあっても譲歩し、うまくいっている家庭もたくさんあるでしょう。妻が自分らしく生きていけることが夫の幸福であり、ひいては家族全体のためになるとも考えられます。

まとめ

内助の功は、妻が夫を陰から支えて成功させることを意味し、見返りを求めずに努力できる才能が求められる行為です。

夫に対し、常に味方でいることを心掛け、感謝の気持ちを持って接するようにすると、うまくいきやすくなります。お節介だと思われないように、注意しながら立ち回りましょう。

ただし、昔とは違い現代では妻が表舞台に立って活躍することは、必ずしもマイナスにはなりません。夫婦それぞれの幸福の形があることを頭に入れつつ、できる範囲でサポートしていきましょう。